あらすじ
女性が一人で暮らしていく.ただ,それだけのことが,こんなにも大変だなんて! あらゆる社会保障や支援の狭間にこぼれ落ちてしまう,「透明」な存在と化した中高年シングル女性.仕事や住まい,お金の悩みから,老後の不安,人間関係まで,「ひとごとではない」著者が多くの当事者女性たちの声とリアルを伝える.
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Posted by ブクログ
当事者でもある著者が中高年シングル女性が被っている実情を当事者たちの証言をもって詳らかにする。労働、性差別、住宅、家庭などの各種章立てテーマそれぞれで困難にぶち当たっている。全編通じてつながること、個人の尊厳が守られることの重要性を繰り返し説く。
私は30代男性、本書で語られるテーマとは結構な対極にあるという自覚がある。何か自分の意見を表明するのも二の足を踏む心境である。
しかし、人が当たり前に享受すべきことができないという状況はそのままでよいという考えにはなれない。私は確かに既得権益者なのだろう、他人ごとと突き放す非常さに葛藤する自分がいる。が、自分ごととして受け取り日常の範囲で思考と行動を変容させること。そこから始めていきたい。差し迫っている未来を見据えながら。
尊大なことを申しておりますが、つまりはとってもおすすめです。本書は日本におけるフェミニズムの変遷まで話題が及んでおります。大局的な時代背景を学ぶと同時に、今まさに直面している具体的な課題を当事者たちが生の声を届けてくれる貴重な内容となっている。男性にこそ、手に取ってもらいたい一冊である。
Posted by ブクログ
読んでてちょっと気持ちが暗くなった。
自分もこの本のテーマみたいな人間。
登場する方々の境遇に共感するところはあるのだけど、なんというか、一度不遇な状況に落ちるとなぜ抜けられなくなってしまうのかとかいろいろ考えさせられて暗い気持ちになったような。
Posted by ブクログ
お金がなくてひとりで生きていくことに不安を抱えるすべての人へ読んでほしい。
非正規で働くシングル女性の様々な困難は、読んでいて辛くなったけれど、現実を知ることは大事だと思う。
同じ女性でもバリキャリで高収入で働く人と、様々な制約から低収入でいざるを得ない人との隔たりもあるし、女性同士が一枚岩になりきれない苦しさがある。
公で安定しているように見える公務員の非正規である会計年度職員の不安定さについても初めて知った。おひとり様が増えている今、日本が変わらないといけない。けれど、普段生活する中で問題がまるで見えないものにされている感覚がある。
私自身が結婚しようと思った大きな理由は、1人では経済的に生きていけないと思ったから。正社員で家賃の安い地方に住んでも、美味しいものやおしゃれや習い事は贅沢だから我慢。何のために生きているのか。
まさにこの本に書かれている困難さに直面したから。
さらに、若いうちはまだなんとかなるけれど、年をとると仕事探しや住宅を借りる面でも困難がある。
社会の仕組みの中で、どうすれば得をするかで行動する人はよく言えば世渡り上手。
世渡り上手になれなかった女性たち、(自分もいつそのような困難に直面するかもしれない不安がある)は、どうなるのか。自己責任として放置するのか、、、
私たち、少しずつでもつながって、声をあげて困難を切り崩していこう、強い人が弱きを助ける社会が理想だよねって熱い想いがこめられた本だった。
以下は覚書のための引用です。
「『ひとり暮らしの戦後史』に登場する女性たちは「日本のあらゆる制度や慣習が、女性が自立して生きていくことを計算に入れていない」…状況は一九七五年からもほとんど変わっていない。根強い家父長制からの性別役割分業、いくら働いても半人前とされ、能力よりも従順さが求められて賃金は安いまま、長く働いても年金では暮らせない老後。世の中の偏った規範に息をひそめ、ひとりの人間として生きる自信を持つこともできずに頼りなく暮らす。…女性はつながり、共に声をあげ、立ちふさがる壁を切り崩していくしかない。」