【感想・ネタバレ】これがニーチェだのレビュー

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Posted by ブクログ 2014年08月26日

筆者の解釈ではあるが、ニーチェ哲学の危険な面も含め、純粋に学問的に、容赦なく解説している書。(筆者の言葉を借りると)反社会的な内容が多分に含まれる。
社会人が読めば怒りを覚えるかもしれないが、学生が読めば一般にタブーとされる内容にまで踏み込んだ議論がされているのでスカッとするかもしれない。

また、...続きを読む筆者はニーチェ哲学に世の中的な価値はないとの立場だが、一概にそうとは言えず、ニーチェの結論である「人生の無意味さを楽しむ」という思想は、社会人にとって極めて実用的な考え方だと思う。
これを実践すると、些細な失敗や意見の相違が気にならなくなるので自然仏のような性格になってゆくだろう。ストレス耐性が高まるし、人当たりの良い性格は人を惹きつけるので、成功への道が開けやすくなるはずだ。

私自身、大学受験浪人時代に読んで、強烈な影響を受けている一冊。

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Posted by ブクログ 2013年12月20日

とても興味深く読めた。
おそらく難解であろうニーチェをわかりやすく解説してくれている。とはいえそれでもじっくり読まないと途中で分からなくなってしまうけど。
ニーチェの思想の変遷を、筋道に沿って追って行っている感があり、納得しやすい。
いろいろと参考になることが書いてあるので、また読みたい。
以下、印...続きを読む象に残った考え方。
動物の最大の幸福は過去を忘れること。
物には固有の価値基準があるが、人間にはそれがない。

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Posted by ブクログ 2023年01月17日

哲学初心者の私ですらこの分野のアイドル的存在との認識がある、ニーチェ関連本に初挑戦。しかし、永井均先生の主張が多分に織り込まれており読み解くのに四苦八苦してしまったのです。

なぜ読むのに苦労するのかと考えると、ニーチェの王道的な思想を学ぶ前に、本作の世間一般的なニーチェ論に対する批判と対峙すること...続きを読むになったからだろうと憶測されます。でも逆に、私のニーチェ像は本作から出発することとなり、ある意味で恵まれているではあるのかなと感覚的に察する。

相手の気持ちを慮ってできることを手助けしようといった慈愛なんてものは、何となく刷り込まれているけどもそれが同情になっているとそれは暴力であると指摘する。その精神的な侵略は逆に相手を傷つけてしまう可能性を感じた。
P47:敵は私を理解しようなどとはしない。だから、私の固有性は敵からはいつも守られている。だが、同情者は違う。彼らはいつも自分自身の知性と感性を携えて私の内面深くに入り込んできて、私を理解という名の暴力でずたずたにされてしまう。

ルサンチマンにおける僧侶的価値評価の巧妙な例え。タームとしては、奴隷道徳に該当するのかな。
P95:ぶどうに手の届かなかった狐が、「あれは酸っぱい部ぶどうだ」と言ったとしても、それはすでにある価値空間の内部で対象の価値を引き下げているにすぎない。・・価値の転倒が起こるのは「ぶどうを食べない人生こそが良い人生である」と‐人に言いふらすだけでなく‐自分の内部で実感したときである。

「力への意志」概念について言及していると思われるが、理解が追い付かない。むずい。。。
P140:いまだ実現していない自分の欲望を「そうあるべき」という形で世界に押し付け、それゆえに暗に「ものごとの進行の全体を断罪」しないではいられない。欠如と苦悩を背負った者の隠微な復習意思を起点とする、本質的にルサンチマン的で、そうであるがゆえにロマンティックな世界観である。

ここにも「力への意志」を理解する一助となる文章がある。
P144:ニーチェの力への意志説は贋金をモデルにした貨幣論なのである。それは何かを‐じつは自分の必要から‐真理であると信じ込むことなしに生きてはいけない弱者の存在様式をモデルにした人間理解であり、弱さと卑小性を最も抽象化された本質を世界へ投影した世界解釈なのである。

永遠回帰は仏教にある輪廻と相似かなと思ったら、全然違った。たった一つの固有である人生を良いも悪いも一切合切違わぬ形で永遠に繰り返すという思想だった。諦観・無常なんて概念はなく、途轍もなく人生への熱量が大きい気力たっぷりの概念かなと理解。
「超人」は実社会には全く適応できない感は否めない。偶然の連鎖における必然性。話が逡巡するしていて掴みどころがないが、胸のわくわく感は止まらない。そんな感じ。
P208:人生の無意味さは、耐えるべきものなのではなく、愛すべきものであり、悦ぶべきものであり、楽しむべきものなのである。

ニーチェの第一歩を踏み出しましたが、ここにハマると沼だな。過激でカリスマ性を感じずにはいられない。気持ちを落ち着かせるためにも、次はもう少しフラットなニーチェ解説をしている本で中和しようと思う。

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Posted by ブクログ 2021年02月18日

この本が導きだした結末に、僕はバカボンのパパを見た。
軽くググってみると、どうやら同じ感想を抱いた人は多いようで、ちらほらと同様のことが記されているページを確認することができる。
「これでいいのだ」という言葉を見たり、聞いたりすることで、ほっとしたり、どこか救われたような気がするのは、ニーチェがその...続きを読む身一つで普遍的道徳にメスを入れ、様々な嘘やごまかしに誠実に立ち向かった結果、たどり着いた境地だったからなのかもしれない。
もちろん「これでいいのだ」の裏にニーチェがいると断言できるわけはないし、そもそも赤塚不二夫がニーチェを知っていたかもわからない。そんなことはどうでもいい。
これは、とんでもなくおめでたい考えなのかもしれないけれど、そんな当たり前のことを導きだすために、尽力しつづけたニーチェはやっぱり偉大だと、僕は思った。
そして、その結末が図らずとも日本人なら誰もが知っている「これでいいのだ」に帰結するのは、単なる偶然でありながら、それは偶然性を維持した上での必然でもあり、そんな事実でさえも「これでいいのだ」と言ってしまいたくなった。
そんなこんなが、僕のニーチェだ。

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Posted by ブクログ 2017年11月13日

永井本の中では読みやすい。(が、すべてさらっとは頭に入らない)
・だからニーチェは「重罰になる可能性をも考慮に入れて、どうしても殺したければ、やむをえない」と言ったのではない。彼は「やむをえない」と言ったのではなく、究極的には「そうするべきだ」と言ったのである。
・人生の価値は、何か有意義なことをお...続きを読むこなったとか、人の役に立ったとか、そういういことにあるのではない。むしろ、起こったとおりのことが起こったことにある。他にたくさんの可能性があったはずなのに、まさにこれが私の人生だったのだ。そこには、何の意味も必然性もない。何の理由も根拠もない。その事実そのものが、そのまま意義であり、価値なのである。偶然であると同時に必然でもあるこの剥き出しの事実性のうちにこそ、神性が顕現している。そこにこそ<神>が存在する。その奇跡に感嘆し、その<神>を讃えて、ニーチェがなした祝福の祈りこを「永遠回帰」の祈りなのである。

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Posted by ブクログ 2012年04月26日

ニーチェを読んだことはあったが素人解釈でしかなく、なんとなくそれっぽく知っているだけだったが、明快に構造的に批判的にニーチェの思想を読むことをこの本から学んだ。とてもよい入門本

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