あらすじ
フロイトを再発見した独自の思想を読み解く対象aは黄金数である――ラカン晩年の言葉を手がかりに辿る構造主義精神分析の本質とその人生の軌跡。ある数式に象徴される主体と言語の存在構造を鮮やかに描く。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
厚さの割にとても骨太。
自己言及の不完全性とy/x = x/(x+y)に通底して言及しながらラカンの理論に迫っていく。これを読めばシェーマが多少はわかるようになる、かも。
Posted by ブクログ
ラカンの著作はまだ未読だが
この本のラカン濃度が高すぎてお腹いっぱいになるレベルで楽しめました。
フロイトの精神分析理論をヘーゲル、ソシュール、レヴィ=ストロース等のエッセンスを汲みつつ斬新な論理構造と創作的自由さによって、大幅な刷新を試みたラカンの人生や私事にまで深く踏み込む。
ヘーゲルの精神現象学を読んでる途中ゆえに
自己と他者の不可分な結びつきには興奮した、やっぱり同じ、というかヘーゲルすげぇ。
ドイツ観念論は哲学の歴史の中でもやっぱりでかい山なんすね。
Posted by ブクログ
発達心理学の成果を精神分析に取り入れたラカンの理論、
鏡像段階論に妙に納得してしまた
転移の話とか
経験したことがあるからめっちゃ共感してしまた!
他者による自分像の構築とかまさに私がそうだもんwwwワロタwww
フロイト読みなおそーっと
Posted by ブクログ
読むの何年越し?ってくらい時間かかった……特に後半は非常に難しかった。でも文章が好き。
眼差し、対象a、症例エメ、アガルマなど魅力的ワードに溢れていた。もはや文学。
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103:エロ魔道 2013/06/22(土) 00:13:35ID:2UVWyPMI0
「生き延びるためのラカン」を試し読みしたんだけど、文章のリズムがちょっとおいらにはあわなかったようなんで、代わりに「ラカンの精神分析」って本を中古入荷予約しといたよ(;´Д`)ハアハア
104:Anonymous 2013/06/22(土) 03:43:53ID:U95feZHQ0
確かにあの本は、文章が受け付けないって人が多いね。
まあ俺も最初はそうだったけど。
ただ他の入門書を読んでみた後だと、やっぱりここまでやらないと駄目なんだろうなって気がしてくる。
ちなみに、『ラカンの精神分析』もかなり難しい、というか、ラカンのおいしいところになかなかたどり着けない。
Posted by ブクログ
佐々木中氏の『夜戦と永遠-フーコー・ラカン・ルジャンドル』を読むために、読んだ本。パリに新しい精神分析団体を設立したことや、1960年代の反体制運動という時代の要請に合致したことなどが、『夜戦と永遠』の主題とも大いに関連しているのではないか。難解だが、そんなことがわかっただけでも読書の目的を達成したといえる。「自己言及の不完全性」によって精神分析家が必要となるという「思想」がたいへん興味深いので、何度も読み返したい。
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ジャックラカンがどんな社会的状況で、どんな分析家の影響で「精神分析家ラカン」になったか、その道程が書かれているのは嬉しい。「ラカンを理解するにはラカンを知っていなくてはならない」と言われる難解さが幾らか和らいでいると思う。
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[ 内容 ]
対象aは黄金数である―ラカン晩年の言葉を手懸りに辿る、その生の軌跡と精神分析の本質。
フロイト‐ラカン思想の根源に鮮やかに迫る。
[ 目次 ]
第1章 精神分析のロマネスク
第2章 前夜
第3章 ローマの隅石
第4章 言語という他者
第5章 他者になるということ
第6章 たった一人のパリ
第7章 アガルマを待ちながら
第8章 精神分析の語らい
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
ジャック・ラカンの入門書。難解と言われるラカンの思想だが、解説書の中では1、2を争うくらい手軽で、分かりやすく噛み砕いてくれていると思う。新書にしては内容が濃厚で「安い買い物した!」と思える1冊。
Posted by ブクログ
10月に入ってから1日20ページくらいのペースで読んでいて、16日に読み終えた。
音楽を聴きながらだと読むのが遅くなるのもあると思うが、内容は濃密。
ソーカルの「知の欺瞞」とかの影響で、数学的表現を利用した部分をトンデモだと判断して、長い間放置していたが、偶然読んだページに書いてあった「ラカンは、「無意識は、大文字の他者の語らいである」と無意識を定義する。」
という記述が心にひっかかって読み始めた。
ラカン用語をよく理解できる形で一つ一つ説明せずに使って書いているのがよくなかった。(対象a、ファルスなど)
トンデモっぽい部分は比喩として解釈したらいいのかなと思って読んだ。
Posted by ブクログ
大学の講義で、少しだけ出てきたことがあったんです。
「象徴界」とか。
んで、この人は何を言ってるんだ!?と思ってこの本を読んでみたんですけど、なかなか、理解できず・・・。
だいーぶ前に買って(現代新書が前のデザインのときです)、何度か読んで、線も引きながら読んだのに。
でもたとえわからならなくても、ラカンに関する本を読むのはなぜか好き。
久しぶりに読んだら前よりわかるようになってるかな。
でも新書でわからないって言ってる時点で駄目ですね。
Posted by ブクログ
ラカンの思想の入門的解説書です。
本書の冒頭で、著者はある患者とのかかわりを通して、おたがいの欲望を交換することになった体験を語っています。ラカンは、「人間の欲望は他者の欲望である」と主張しました。これは、自己が対象をめがける欲望のうちに、他者の影響が入り込んでいるということを意味します。著者は囚人のディレンマのゲームを参照し、自己が自己自身を顧みるという身振りのうちに、つねにすでに自己をまなざす他者が先取りされていることを具体的に説明しています。
ラカンはこのような思想を数式で表現し、そのなかで「対象a」が黄金数として現われることを示しました。本書では、この黄金数がさまざまな局面においてくり返し登場することがわかりやすく解説されています。もっとも、こうした数式による表現にはあまり意味があるとは思えないのですが、こうした数字遊びもラカンの思想を学ぶときのおもしろさではありますので、そのたのしみに触れることができるという意味では、本書のような説明も無下にしりぞける必要はないのかもしれません。
Posted by ブクログ
どこから導線でたどり着いたかよくわからなくなった状態で読むと
たまに見知った名前が出てくる程度で、根本的に精神分析学に関して知らないことが多い。