あらすじ
世界一周飛行を果たした純国産機と失踪した伝説の女性パイロット。
圧倒的なスケールで描かれる、史実から生まれた大空の冒険ロマン!
1939年、第二次世界大戦前夜。前人未到の世界一周飛行に挑む純国産機ニッポン号と失踪した伝説の女性パイロットの運命が交錯する――自由と平和を渇望し、歴史の闇に消えた二つの「翼」の秘密を追い、新聞記者の翔子はある人物を探してアメリカへ渡る。翔子が辿り着いた驚くべき真実とは――
「世界はひとつ」-----飛行機乗りたちの熱き思いが、時空を超え、いまなお戦争が止まぬこの世界に、強く切なく響く。「壮大な世界観に圧倒」「何度も涙が溢れた」「一緒に世界一周をしている気持ちになった!」と大反響。史実をベースにフィクション創り上げる原田マハの作風の原点。待望の新装版。
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Posted by ブクログ
家の近くの書店に平積みされていて、原田マハさんの新作なんだ!と思ってあらすじ読んですぐに買ったら新装版だった(笑)
トータルでとても私好みの作品、実在のアメリカの女性パイロットと、これまた実在の日本の国産飛行機ニッポン号の話。
世界でドンパチやっていて、無人航空機が殺人兵器として使われている今、この本に出会えてよかった。技術は常に人間の暮らしをより豊かにするために生まれて、結局人を傷つけるために応用化されるのだと思うと悲しいが。だからこそ、エイミーの「世界は、ひとつ。」「空から見れば国境などない」という言葉が胸に響いた。
あとは第二次世界大戦期や戦間期をテーマにした作品は多々あるけれど、この作品はヒューマンドラマの要素も多くあってやはり良い。特にエイミーとトビアスとの関係やその他乗組員との関係、カメラマン山田と新聞社の社長やニッポン号乗組員の関係性、アインシュタイン博士やアメリカ大統領&軍高官、山本五十六の登場など、その時代に出てきそうな人たちがただ登場するだけでなく、人物それぞれのキャラクター濃く描かれていて楽しめた。多層的に楽しめた。
ちなみに、前半アメリカ舞台の部分で出てきた"One world"という言葉に、お?JALが関係あるのか?と思ってしまったりした。特に関係なさそうだった。
Posted by ブクログ
原田マハ13作目。
ストーリーが壮大で登場人物もあまりにも有名だったが違和感なくスッと入ってくる表現力、、。エイミーのただ真っ直ぐな思いが伝わるからこそ、自分がさせられていたことを知った時の悲しみや自分すらにも抱いたであろう嫌悪感を感じて苦しかった。残りの燃料がほぼなくなったあの数秒でエイミーが伝えたのは、私情ではなく世界に対するメッセージだったことが、エイミーの人間性を表していてグッときた。エイミーのことを労うニッポンの乗組員と、その思いを受け止めて消えたエイミーの絆、どちらの複雑な思いもとても伝わって感動した。
原田マハの史実に基づいたフィクションやっぱり素晴らしい!