あらすじ
「ときどき、『日本はやがて中国や韓国に追い越される』『ギリシャのように財政破綻する』と真顔で語っている人がいる。それを見て、『この人たちはいったい何を議論しているのだろうか』と思う。そういう人たちは、新聞に書いてあることをしゃべっているだけで、自分の意見は何もいわない。それなら家に帰って新聞を読んでいればいいのであって、わざわざ他人と話す必要はない」(本書第一章より)。なぜみんな、新聞と同じ意見なのか。それは「思考法」を知らないからだ、と著者は記す。「データや証拠がすべて」と信じている学者や、物事を「絞り込む」タイプの人は、過去の分析はできても、将来起きることや未体験の事態に対応できない。東日本大震災に対する東京電力や政府の有様は、まさにそれであった。反対に「拡散思考」で物事を考えることにより、私たちはもっと広い可能性、斬新な選択肢を得ることができる。あなたのビジネス、人生の幅を広げる一冊。
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Posted by ブクログ
・お金を撒けば景気が良くなるというケインズの提唱は、「中流」の国民が多い場合にしかなりたたないのではないか。
・これまでで最も反応がよかった政治家は、小渕恵三さんである。小渕さんは「いま聞いたことは、必ず全部やってみせます。じつは日本の首相は、法律上たいへんな『独裁者』で、アメリカの大統領よりも権限がある。しかし権限だけではダメで、もう一回総選挙をすれば、私が公認した人がたくさん政界に入るから、もう少し待ってください」といった。
・明治22(1889)年、奈良県の十津川郷が大水害に襲われ、壊滅的な被害を受けた。生活の基盤を奪われた人たちは、新たな生活の地を求めて移住を決断、600世帯、約2400人が北海道の未開の原野に入植した。政府からの援助は、旅費と3年間の食糧の現物支給だけであった。
そのとき、入植者全員が七ヶ条の誓いを交わしている。
たとえば、質素倹約に努めるということで、宴会の類は行わない、5000坪を開墾するまでは他の仕事をしてはならない、政府から支給される食料は家族だけで食べて、他にふるまってはならない、三年間は飲食の店を出してはならない、子弟の教育に努めること―といった誓いである。誓い通り、入植二年目には早くも二つの学校を開校している。彼らは、「われわれは政府には頼らない、お世話になった分は恩返しする」という決意をもって、新十津川を開拓していく。
平成23(2011)年9月、奈良県の十津川村が、台風の豪雨による土砂崩れと川の氾濫に襲われ、またしても大きな被害を受けた。それに対して新十津川町は、見舞金・義援金合わせて6300万円を贈っている。