あらすじ
プロチチ・徳田直(とくだ・なお)は、対人関係でトラブルが多く無職。しかし、息子・太郎(たろう)を1歳まで育て上げ自信回復。ついに就職活動を開始する。しかし、難敵は保育所の入所問題。就職しなければ収入が無く入所させられず、入所手続きの為には就職しなければならない。直に残された道はただ一つ、一時的に高額な無認可保育所に入れながらアルバイトするしかなかった。父と子の人生初の挑戦が始まる!
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Posted by ブクログ
育児よりも仕事時間の方が長い母と、育児に専念する父。
昔考えの人にとってはアリエナイ家族かもしれないけど、それでちゃーんとうまくいってる。
仕事一筋で育児に関わる事の少ない父親が多い中、父と母の役目が逆転してるこの家族は、母親が、仕事一筋父親の感じる育児への思いみたいなものを感じていたり。
アスペルガーゆえに人との関わりが苦手で仕事を辞めた直(なお)は、一人息子「太郎」が生まれてから育児に専念してきたけど、この巻でアルバイトながら仕事を始めることになる。
もちろん「言葉通りにしか受け取れない」とか「相手の感情を読めない」という特質のためにトラブルも起こるが、それを上回る仕事に役立つ能力があり、店長も仕事仲間もうまく直をフォローしてくれる。
こういう目に見えない障害(?特質?)っていうのは、何も知らない人にとっては、「何この人?(イラッ)」っていう思いを抱かせるものだけど、トラブルが起きなければ普通の人に見えてしまうっていう部分もあり、どっちがいいものなのかと考えてしまう。
深く関わらない相手なら、何も言わないで「ちょっと変な人」と思われるだけでいいけど、長く関わっていく相手に対してはどうしていくのか。
太郎が保育園に入る事になり、恐らく今後、直は太郎の保育園の保護者たちと関わる事も多くなるだろうし、そうなった時に、直の「おかしなところ」が周りの保護者にどう映るのか。
まだ太郎の保育園生活は始まったばかりで、周りの母親たちは(直をバツイチ子持ちのパパと勘違いして)好意的に見てくれているけれど、今後どうなるのか気になる。
直の妻 花歩はキャリアウーマンで、育児に関わる時間がものすごく少なく、ある固定観念を持つ人からは反感を持たれそうなキャラだけど、そうならないで可愛らしい女性に描かれているし、何よりこの夫婦、とても仲がいい!こういう、お互いの長所短所をうまく補って、お互いを思いあえるっていうのは素敵だなと思う。