あらすじ
アミノ酸が人間の体内でどんな働きをしているのかをわかりやすく解説することで、幅広く活用されるアミノ酸の「力」を明らかにする。 食品、スポーツドリンク、化粧品などに添加され、サプリメントが人気を集め、医療での利用が進む。 グルタミン酸ナトリウムは年間160万トン、リジンは65万トンが世界中で生産されている。アミノ酸とは、いったい何なのか。どう用いるべきなのか。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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Posted by ブクログ
アミノ酸の科学
その効果を検証する
著:櫻庭 雅文
ブルーバックス B1435
アミノ酸はそもそもタンパク質を構成する要素で、20種類のアミノ酸が結合してタンパク質はできている
人間の体の20%はタンパク質である
気になったのは、以下です
■アミノ酸とはなにか
・脂肪、炭水化物とともに、三大栄養素の1つである
・自然界には、500種のアミノ酸があるが、そのうちの20種が動物の体を形作っています
・アミノ酸の複雑な配列を決めるのは遺伝子です
・アミノ酸の特徴は、アミノ基(-NH2)、カルボキシ基(-COOH)を持つことです
・アミノ酸は、アミノ基と、カルボキシ基の配列で、αアミノ酸、βアミノ酸、γアミノ酸と3種類あります
・アミノ酸は、光学異性体(元の物質と、鏡に映した時の物質を、光学異性体といい、分子式は同じだが、性質がことなる)で、L体と、D体があるが、動物にあるアミノ酸は、なぜか、すべて、L体です
・複数のアミノ酸、タンパク質は、ペプチド(O=C-N-H)結合でつながっています
・ペプチド結合を行うにはエネルギーが必要ですが、ATPという物質から供給されます
・アミノ酸には、
動物が体内でつくりだせないもの 必須アミノ酸
体内で合成できるもの 非必須アミノ酸 の2つがあります
・アミノ酸の種類
グリシン DNA、RNAなどの遺伝子情報をつかさどっている物質の原料
システイン 毛髪や、体毛に含まれるアミノ酸
メチオニン 必須アミノ酸、コレステロール値を下げたり、活性酸素を取り除く働きがある
フェニルアラニン、チロシン ベンゼン環をもっていて、神経細胞間の情報伝達を行うもの
プロリン コラーゲンの主成分、表皮の保湿をつかさどる 等々
・DNA ヌクレシオチドが鎖状につながっていて、2重らせん状にからみあっています
ヌクレオチドは、糖、リン酸、4つの塩基からできています
つまり、DNAはタンパク質の設計図です
・RNA タンパク質の合成に関わる物質
mRNA DNAの塩基配列をコピーするメッセンジャー
tRNA タンパク質の部品であるアミノ酸を運搬
rRNA リボゾーム上でアミノ酸をつかってタンパク質をつくる
■スポーツとアミノ酸
・GI馬にアミノ酸が与えられていた
・タンパク質は消化がわるいが、分子量の小さなアミノ酸は体内への吸収効率が高い
・アミノ酸のスポーツにおける効能 ①筋力アップ、②持久力向上、③疲労回復
アルギニン 疲労回復
グルタミン 筋肉損傷防止、筋力増強
プロリン コラーゲンに含まれていて、骨、腱、靭帯の栄養成分
■美容とアミノ酸
・肌荒れしやすい人、角質層のアミノ酸が不足している
・角質層のNMFの主成分、アミノ酸と、ピロリドンカルボン酸(PCA)
・肌荒れしている人、NMFがたりない⇒アミノ酸をクリームに配合して塗ると、保湿効果があがる
・海面活性作用をたかめるアミノ酸
グルタミン酸、グリシン、DL-アラニン、アルギニン、N-アシルーメチルタウリンナトリウム 等
・毛髪もタンパク質、アミノ酸でできている
・パーマ アミノ酸の結合をきって、再結合するための手法
1剤 アミノ酸の結合を切る アルカリ性水溶液の還元剤
2剤 アミノ酸の再結合を行う 臭素酸ナトリウムなどの酸化剤
■医療とアミノ酸
・アミノ酸は食事では、50%しか補給されない
・タンパク質を血管に入れるとアレルギー反応がでるが、アミノ酸は問題ない
・宇宙食に、アミノ酸が多く用いられているのは、排便量が極端にすくなくなるから
アルギニン 内分泌系に対する作用、循環器系の生理機能調整、降アンモニア作用
グルタミン いままでよくわかっていなかった 病気になると必要になる
アラニン 二日酔いに効くアミノ酸
・アミノ酸は、医薬品の原料でもある
■食べ物とアミノ酸
・タンパク質は小腸で吸収されるが、肝臓に達するまでには、ほぼアミノ酸になっている
・必須アミノ酸が足りなくなると、身体は察知する リジン欠乏
・アミノ酸の機能
①栄養素の補給
②嗜好を満足させる、おいしさ
③健康増進、病気や老化の防止
・アミノ酸によって、味が違う
・魚も、肉もすこしたった方がおいしい ⇒ それは、アミノ酸が増えるから
目次
まえがき
第1章 アミノ酸とは何か
第2章 スポーツの最前線が変わった
第3章 美容効果とアミノ酸
第4章 医療を変える力
第5章 食べ物とアミノ酸
第6章 アミノ酸と味覚
付録 アミノ酸製造法
あとがき
参考文献
さくいん
ISBN:9784062574358
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:184ページ
定価:900円(本体)
2004年02月20日 第1刷発行
2009年02月13日 第5刷発行