あらすじ
◆主な内容
小学六年生の葉澄は、発達障害のある双子の姉・菜々実の通院や学校送迎を日常的に手伝っている。菜々実にも、両親にも笑っていてほしい気持ちは確かにある。けれど、友達と遊びたい日も、ひとりでいたい時も、お母さんと一緒にいたい時も、菜々実の都合が最優先になる。何かを諦めるたび、仕方ないと思う反面、胸の奥にモヤモヤがたまっていく。
そんな中、障害がある子のきょうだいが集まった「きょうだい会」に参加することになった葉澄は、同世代の恵太と出会う。からりとした性格の恵太と仲良くなる葉澄。恵太にも障害を持つ弟がおり、明るい言葉の裏には、複雑な感情がにじんでいた。
葉澄は「きょうだい会」での交流や、かつて仲違いした友達とのやり取りを通じて、自分の未来について考え始める。障害のあるきょうだいのために生きるのが「みんなにとって」幸せなのだろうか、それとも──?
きょうだいだから愛している。愛しているから、見捨てられない。
きょうだい児が抱える葛藤をまっすぐ描き切った、渾身の力作!
監修:藤木和子
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
良心を心の中でゆれる火にたとえているのがなるほどと思った。その火はときに轟々と燃え盛ったり、あとひとふきで消えそうになったりしながら、それでもわたしたちの中で灯りつづける。
タイトルが手書きなのがライト文芸のようで、ちょっと本の印象と合わなかった。若い子にはこの方が手に取りやすいのかな?
Posted by ブクログ
きょうだい児の葛藤を描く。
〈きょうだい児とは、しょうがいや重い病気のある兄弟・姉妹がいる子どものこと。〉
〈ヤングケアラーは、本来は大人がするような介護や世話を、子どもや若者が日常的に行なっている人のこと。〉
葉澄には、自閉症をもつ双子の姉・菜々実がいる。幼い頃は、きょうだいだから助けるという気持ちもあったが、小学6年になると空気を読めない姉と一緒だと仲間外れにされてしまい、みんなと遊ぶこともなくなり、イライラすることが増えてきた。
ある日、病院の待合室で出会った少年からお守りをもらい、その縁できょうだい会を知り、つなぎびでそのときの少年・相田恵太と再会する。
恵太と知り合い、つなぎびで会うことで学校内での振る舞い方や菜々実との接し方も変わってくる。
だが、一方では恵太が弟や両親の間で苦しんでいることを知り、どうすれば以前の明るい恵太に戻るのかを考える。
親ではなくきょうだいというのは、親とはまた違った辛さや苦しさがあるのだと感じた。
親は、先に死んでしまうけど子どもは同じように大きくなっていく。
親が、きょうだいの面倒を見てねというのはわからなくもないが、かなりの重荷だろう。
十分に手をかけてもらえたわけでもなく、我慢の連続で、学校でも変に気を使われたり…と。
自分の気持ちは二の次か…と卑屈になってしまうかもしれない。
だけどきょうだい会を知って、いろんな情報を得ることもできるし、どう動けばいいかもわかり、気持ちも変わっていく。
すべてを理解できるわけじゃないが、きっと気づいてくれる誰かがいるから、すべてを背負い込まずにいてほしいと思った。
Posted by ブクログ
障害のある兄弟を持つ「しょうかい児」がテーマです。
児童書なのに、優しく綺麗な展開はなく、どうしょうもない心のドロドロも、周囲の無関心や悪意も、救いのない状況も、こらえきれなくなった心からあふれるように描かれています。
Posted by ブクログ
小学六年生の葉澄は、発達障害のある双子の姉・菜々実の通院や学校送迎を日常的に手伝っている。菜々実も大切だけれども、いつも菜々実の都合が最優先になる。何かを諦めるたび、仕方ないと思う反面、胸の奥にモヤモヤがたまっていく。
そんな中、中学生となった葉澄は、菜々実の付き添いで行った病院で顔見知りとなった恵太と、障害がある子のきょうだいが集まった「きょうだい会」で再会する。明るく元気いっぱいの恵太だが、彼にも障害のある弟がいた。
今年度中学生の部の読書感想文課題図書。
表紙の雰囲気から、今時の中高生の好きな悲しい恋愛ものって感じだけれど、中身は〝きょうだい児〟を扱った物語。
大人でも障害のある兄弟の面倒はどうするのか、将来は誰が面倒をみていくのかといったことを悩むのに、中学生には荷が重すぎる。
ある有名な方が、「母親は将来、姉のお世話をさせるために、私を産んだ」と言っていたのを思い出した。
自分のための人生なのに、親や兄妹のために未来を決めてしまうと、後悔の人生を歩んでしまう。
〝きょうだい児〟について、いろいろ考えさせられた。
課題図書というだけあって、薄くとても読みやすいのでオススメだけど、男子はこの表紙を手に取って読むのだろうか?と女子向けになってしまうかなという疑問が残った。
Posted by ブクログ
障害や重い病気のある兄弟姉妹がいる子ども、「きょうだい児」のことをテーマにした物語。障害を持った菜々美の双子の妹、葉澄が主人公。「きょうだい児」や障害に対する認識も様々な人たちが、菜々美や葉澄を通して、少しずつ変わっていく様子が分かりやすい。葉澄もやはりきょうだい児である恵太と出会って救われる。明るく強いように見えている恵太も実は重い気持ちを背負っている。まずは知ることが理解を深めることにつながるとあとがきに作者が書いていた。知って考えるきっかけとなると思う。