【感想・ネタバレ】エキストラバージンの嘘と真実 スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界のレビュー

あらすじ

健康・美容にいい油として注目されているオリーブオイル。ところが、オリーブオイルの最高グレードである「エキストラバージン」の名が冠されていながら、中身は精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いで発覚。
筆者はスキャンダルにまみれたオリーブオイル業界の実態を赤裸々に描く一方、業界全体が目指すべき方向性を提示。紀元前5000年から今に至るまで、人々の生活、宗教、政治、戦争と深く関わり続けてきたオリーブオイルのことを深く知れば知るほど、おいしさ、健康効果などの魅力を存分に楽しめるようになります。食に関心のあるすべて人たち必読の内容です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

紀元前5000年から現在に至るまで、人々の生活、宗教、政治、戦争と深く関わり続けてきたオリーブオイル。最近では健康・美容に良いとして注目され、世界各地の食卓に浸透している。ところが、このオリーブオイルの品質が危機に瀕している。オリーブオイルの最高グレードである「エキストラバージン」の名が冠されていながら、中身は精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いでいる。エキストラバージンオリーブオイルが置かれている危機的な状況がなぜ起きているのか、歴史、文化、宗教、政治などから多面的に紐解き、丁寧に解き明かす。

私は料理でしばしばオリーブオイルを使用しているが、この本を読んで私が知らなかった真実が次々と現れ、衝撃を受けた。なにより「オリーブの果実風味」「苦み」「辛み」がエキストラバージンの証であるという、本当のオリーブオイルの味すら知らなかったのだ。つまり私は瓶のラベルを見て中身を判断していたことになる。ラベルなんて貼り替えてしまえば、中身がどんなに低品質のオイルであったとしてもわからないというのに。
日本でも食品偽装が取り沙汰される昨今だが、オリーブオイル偽装の歴史は古く慢性化しているそうだ。時間とコストをかけて誠実にオリーブを育てる農家、高い品質を保ったままエキストラバージンを製造・販売する業者がいる一方で、安いオイルを混ぜ、エキストラバージンと偽る加工業者もいる。さらに悪質なのは偽のオリーブオイルと知って、それを加工業者から仕入れて何も知らない消費者へ売りつける販売小売業者がいるということである。

質の高さは価格と比例するが、私のような無知な消費者はラベルに同じ「エキストラバージン」の文字が書かれていれば、もちろん価格が低いものを購入するだろう。だまされたくないのであれば、消費者も賢くならねばならない。もはや売り手だけに誠実な商売をする責任を押し付ける時代ではないのだろう。本物を見抜く目を身につける、本物を手に入れることができる場所を知るといった、ラベルや価格にだまされない術を身につけなければならないのである。

0
2014年05月06日

Posted by ブクログ

p177 オリーブオイルに含まれるポリフェノール類などの物質波、心臓や血管の維持にも有効だと言われている。抗炎症作用があり、赤血球の凝固を抑え血液をサラサラにする働きにより血管が詰まるのを予防し、血栓症や脳卒中ら心臓発作のリスクを減らす効果が期待できる。ほかにも、感染症に対する免疫反応を高めるものや抗生物質のような働きをする物質も含まれている。
p178 オリーブオイルの健康効果の高さは、風味や香りなどの知覚特性の強さに完全に比例している。

輸入品にラベル貼ってエクストラバージンオリーブオイルですよ〜ってやるの、ありかよ
スーパーでしか買ったことないけどそれはもうじゃあ確実にまがい物なのかしら
用語集に載ってたサイト行ったら流石に古いからか該当ページは閉鎖されてたよう。

p352 脱臭加工オイル、低温脱臭加工
不快な臭いや味を精製して取り除いたオイルを指し、低品質オイルの代名詞。法律では精製オリーブオイルと明記する決まりだが、エクストラバージンオリーブオイルと違法に表示されている。スーパーマーケットの低下書くオリーブオイルの大多数がこれ。らしい。
そもそもエクストラバージンオリーブオイルとは・・・オリーブにおける最高品質の等級で、国際オリーブ協会(IOC)やEUで定めた基準を満たしたものを指す。化学的基準とテイスティングによる官能評価試験(味や風味の欠陥が一つもないこと)の両方に合格する必要がある。

本物のエクストラバージンには新鮮なオリーブを思わせるはっきりとした果実風味に加え、独特の苦味とピリっとした刺激がある。苦味と刺激はいいオリーブの証。

認証について・・・PDO(原産地保護呼称)やPGI
(地域保護表示)、オーストラリアオリーブ協会、カリフォルニアオリーブ協会、3E協会、北米オリーブオイル協会、国際オリーブオイル協会など

解説・・・日本の品評コンテストにて、世界中から集まった140ものオリーブオイルのうち3割がエクストラバージンの官能試験に不合格。

0
2025年01月26日

Posted by ブクログ

オリーブオイルの歴史、製法、料理法、効果、そして市場に蔓延する偽装オリーブオイルの実態を追跡したルポルタージュ。
上質なオリーブオイルが如何に作られ、その一方で菜種油などが混ぜられた偽装オリーブオイルが安い値段で出回っているかが克明に描かれている。
あー、美味しいオリーブオイルのかかったサラダ食べたい!

0
2017年09月05日

Posted by ブクログ

にわかに、断然、オリーブ好きに。

元々、オリーブオイルには、少しだけこだわりを持っていたのだけれど、それが恥ずかしくなるくらいの、オリーブオイル偏愛ぶり。

500mlで3千円台のオリーブオイルを買ってみようと思った。

0
2015年06月03日

Posted by ブクログ

日本オリーブオイルソムリエ協会

エキストラバージン・オリーブオイルの特徴は、果実風味、胡椒風味(または刺激)、苦味

コールドプレス、一番搾り、ライト・オリーブオイル、オリーブオイル、ポマス、オリーブ・ポマス、ピュア・オリーブオイルはマーケティング用語

脱臭加工オイル、低温脱臭加工は低品質オイルの代名詞、本来は精製オリーブオイルである

遊離脂肪酸(FFA)は0.2以下で超優良品質、0.5位上は低品質のおそれ

(部分)水素添加油はトランス脂肪酸の一種

精製オリーブオイルは精製したオリーブオイルに少量のエキストラバージン・オリーブオイルを加えて、風味、香り、色をつけたもの

オリーブオイルは精製を必要としない数少ない植物油

エキストラバージンオイルは果物から搾ったジュースと同じで鮮度が命

濃い色のガラス瓶か光を遮断する素材の容器に入ったオイルを短期間で使い切れる量を選ぶ

賞味期限はその年につくられたものにする、収穫年月日があればなおよし

認証もそれなりに役に立つ

1リットル10ドル以下は低品質の可能性が高い、但しオリーブの栽培と収穫を機械化したものやEUの補助金を受けていると安い

オイルは光、熱、酸素が大敵

揚げ物には精製オリーブオイルの方が良い、もったいない

0
2018年11月25日

Posted by ブクログ

 オリーブオイル食べられなくなる……!っていうか、どうなのこの食品偽装の根の深さは。
 なんだろうなぁ。これからの時代は作り手と買い手の信頼関係というか、作り手の信頼性……というのもブランドとして大切になる気がする。金掛けてでも信用を勝ち取れば強い、みたいな。

 にしてもオリーブオイル怖い。

0
2013年06月02日

Posted by ブクログ

オリーブオイルの偽装の実態、このまま行くと業界そのものが荒れて滅んでしまうのかという暗い先行きの一方で、偽装を摘発・防止し、良質のオリーブオイルを消費者に届けようとする人々の地道な努力がかすかな期待を持たせてくれる。

オリーブ油の明日がどこに向かうのか?その鍵は生産者だけではなく、消費者も握っていることを改めて認識させられる。

巻末の「良いオリーブオイルを選ぶために」は日本ではそのまま使えるとは限らない内容が一部あるものの、参考になる。

0
2013年04月14日

Posted by ブクログ

オリーブオイルの西洋社会における位置付けの重要さと、品質担保の杜撰さがよくわかる。本構成があまり構造的でない(取材記述と客観的現状分析が混在)のが好みじゃないけど、オリーブオイルについて詳しく知れる。現在の状況は気になるところ。

0
2022年09月19日

Posted by ブクログ

5000年前から使われてきたオリーブオイル、偽装も古くからおこなわれてきた。「エキストラバージン」として市販されている殆どはニセモノで危険な粗悪品もある。業界として評価・品質保証しようという動きはあるものの、儲け優先でままならず。

イタリアのオリーブオイルは、エクストラバージンを謳っていてもいても買うもんじゃない、ということがわかりました。小豆島産の方が安心だ。

0
2018年04月09日

Posted by ブクログ

オリーブオイルのポテンシャルはワインに匹敵するのに、エキストラバージンなどのラベリングに偽装がまかり通っているという。「魚沼産」と大同小異か。
生産者が誇りを持ってラベリングし、消費者が良いものにはきちんと対価を払うようになるかが、ワインのような奥深い商品になるか、単なる油の一種となるかの分かれ目。
日本では普段使いにあまりオリーブオイルを使わないので、良いものが入ってきやすい土壌はあると思う。

0
2014年10月22日

Posted by ブクログ

 オリーブオイルの偽装を追った本というよりは、オリーブオイルの成り立ちの中で偽装されて事態があったと淡々と追った本。
 好みの問題なので、オリーブオイルのことを知りたい人にはいいかも。

0
2012年12月22日

「ノンフィクション」ランキング