あらすじ
災害は突然のごとく襲ってくる。生きることと死ぬことの偶然の分かれ目、今まで自分たちを抱え、守ってくれていた家の消滅。救援がはじまる。被災者は避難所に移り、あるいは病院に搬送される。家族や友人を喪ったなかでの長びく避難所生活、救援にあたる者、救急医療の現場に携わる人の積み重なる疲弊… そこから、こころの病いをはじめさまざまな二次災害も広まる。東日本大震災からひと月余、誰もがはじめて経験する日々がつづくなか、16年前の阪神淡路大震災の経験から学ぶことは少なくないのではないか。小社で刊行した『1995年1月・神戸』より、中井久夫の文章を再編集、併せて新稿も収めて、ここにおくる次第である。歴史に学ぶ・「神戸」から考える――こころのケアを中心に、精神科医が関与観察した震災後50日間の記録。
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Posted by ブクログ
精神科医が関与観察した阪神淡路大震災の50日間。
あのとき、
医者たちは、自分たちで考えながら有機的なネットワークを形成していった。
混乱の中で、
情報や人の波とたたかっていた。
必死だった。
看護師やボランティアの力なくして、
その現場を支えることはできず、
多くの人の機転なくして、
成り立たなかった。
今回の東日本大震災のことも記載されており、
考えさせられることは多い。
人の体力がもつ期間は限られている。
援助する側、援助される側、どちらも日本人は不慣れなのかもしれない。