【感想・ネタバレ】通り過ぎた人々のレビュー

あらすじ

花田清輝に見いだされ、学生のころより新日本文学会に加わり、2005年3月の解散時まで半世紀にわたって在籍した著者が、そこで出会った人々の思い出を書き残しておきたいと綴った。井上光晴、小野二郎、菅原克己、藤田省三ほか、とりあげられた18名はすべて物故者。「自主独立的に誇り高い人々であったなぁ。団体なのに独往邁進、ではなくて、独往邁進する連中の団体が、あるときあり得たり、あり損ねたり。そんなおかしな空間と時間が、とにかくあった証拠の18例です。あぁ、おもしろかったなぁ。しょせん時勢はくそいまいましいまでにせよ、こんな人と時代があったことを、いささかお汲みとりいただければ、もって瞑すべし」新日本文学会とはなんだったのか。軽妙なタッチでペーソス豊かに描かれた追悼録から、戦後日本を代表する文学運動体の盛衰が浮かび上がる。

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Posted by ブクログ

京都の古本屋さんに選書してもらったうちの一冊だが、新日本文学会も小沢信男も知らないまま読む。
今ひとつ文学史上の運動というのがピンと来ないし、振り返って紹介される面々も知らない作家が多いが、それでも会の雰囲気や魅力を感じるところがある。おそらく導入のための本なのだろう。
詩と小説のちがいについて。「小説は寝ているやつを立たせることができるかもしれないが、詩は立ってるやつを走らすぐらいはできそうだ。」(関根弘)

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2020年06月08日

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