あらすじ
精神の異変か、それとも死霊の憑依か?
ホラーを超えた衝撃
若くして成功した夫との新しい生活。だが予期せぬ妊娠に中絶という答を出した時から、夏樹果波(なつきかなみ)の心に異変が起こり始める。自分の中に棲みついた別の女――精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。治療を開始した夫と精神科医の前には想像を絶する事態が待ち受けていた。乱歩賞作家が描く、愛と戦慄の物語。
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Posted by ブクログ
読み終わったあと、しばらくボーッとしてしまうような、胸に突き刺さるお話でした。
ミステリーとしての面白さはもちろんですが、それ以上にもし自分がこの立場だったらと考えずにはいられない、人間の生々しい感情が描かれています。ハラハラしながらも、どこか切なくて、ページをめくる手が止まりませんでした。
読み終わったあとに、誰かとこの衝撃を共有したくなるような、不思議な余韻が残る一冊です。
Posted by ブクログ
最後まで読み手を離さないノンストップストーリー。
だが、高野先生の全作品が、このクオリティ、この緊張感、この感動、というのは凄まじすぎる。
Posted by ブクログ
人の生命や精神に関するものがテーマなので、かなり重かった。
もし自分が子供の出産を諦めていたら、とてもじゃないが読める話ではないな、と痛感した。
(出産前後、自分はとても大変な経験をしたので…)
内容は好みではないし、読み進めるのが正直辛かった。
が、この後どうなってしまうのかどうしても気になり、
最後まで読めたという感じ。
大どんでん返しとかじゃなくて良かった。
Posted by ブクログ
怖い
ホラー小説読んでるのかと思った
育てられないなら避妊しろよと改めて思う
せっかくコンドームがあるのに。
結末ははっきりしなかったけど、読後感はよい。
精神的なものというのは奥が深いんだなぁ
Posted by ブクログ
快適な生活を守るためという経済的事情で中絶という選択を夫から言い渡された妻の心に異変が起こり始める。
「私誰だか分かる?」と豹変した妻に聞かれ、恐れおののく夫だが、その答えが分かったとき、夫は大切なことについに気づく。
命の尊さは、生まれる前から始まっているんだということに改めて気づかされる。作者の命に対する慈しみを最も感じた書だった。今まで読んだ高野和明の本のなかで一番好きかも。
Posted by ブクログ
購入したマンションを手放したくないが故に中絶を選択するあたりから、修一に共感できずに苛々した。
精神障害か、それとも霊が憑依したのか。
非常に興味深い題材だったけど、結局修一に苛々してるうちに読み終わった笑
Posted by ブクログ
「避妊をしなければ子供ができる。そんなことも分からない奴らは、恋愛するな」(P403)
一時の快楽に身を委ねるのはダメ、絶対。テーマはめちゃくちゃシンプル。女を孕ませて堕ろそうとした男が改心して出産させる話。当たり前ながらも改めて「避妊の大切さに」気付かされた。面白かった点は2つある。
1つめは、オカルト(死霊の憑依)か、化学(精神の病)か、どちらの説か分からないこと。
果波に取り憑いた霊をめぐって、憑依説を推す夫(修平)と、精神の病だと言い張る精神科医(磯貝)の対立が興味深い。どちらの言い分にも納得できる。
磯貝による精神分析が興味深い。憑依は現代においては、精神疾患の一種だというのは初めて知ってビックリ。憑依を題材にした映画とかの影響で、オカルト的なものかと思ってたわ。
2つめは、子供を堕ろしたい修平と、中絶を阻止したい死霊(久美)の攻防。
「お腹の子は絶対に守る」果波に憑依した久美が、修平や磯貝たちに、強い意志で反抗してくるのにはハラハラさせられる。最終的には、久美が中絶を妨害したおかげで、出産することになるから良い霊だったのは意外。
総評すると、ドストレートなメッセージに改めて気付かされ、オカルトと化学を織り交ぜた話に翻弄され楽しめた。
Posted by ブクログ
【2025年105冊目】
ベストセラー作家である修平の妻である果波は幸福の最中にいた。狭いアパートから高層マンションに移り住み、新たな暮らしをスタートさせた二人。だが引越ししてしばらくしてから、収入の見込みがなくなることがわかり、修平は焦り始める。そんな折、果波の妊娠が発覚。苦渋の決断で中絶を決意した二人だったが、徐々に果波の様子がおかしくなり始めて――。
ミステリーとホラーを混ぜ合わせたような一作。果たして精神的なこととして片付けられるのか、それとも幽霊のような説明のつかない現象なのか、どっちなんだ!と最後まで読者を翻弄させる建付けにまんまとやられて一気読みでした。
個人的にはもうひとひねり欲しかった(あの男が存外まともだったので)のですが、超常ミステリーとしては納得感のある結末でした。あと、出産シーンはやっぱなんか涙ぐんじゃいますよね。私もコンコースにいたら歓声あげて拍手してた(でもどういう状態?!とは思ったと思う)
それにしても表紙が怖すぎる。棚から手に取った時、一瞬躊躇しました。表面にしてテーブルの上とかには置いておきたくないタイプ。読んでる時はカバーつけてたので良かったですが怖いよ。
高野さんは筆力高いので安心して読めるのもいいですね!