あらすじ
鉄道好きとして名高い著者が、今回取り上げたのは「地下鉄」! 張り巡らされた地下鉄路線を使って、東京中の名所を余すところなくまわってきました。上野の国際子ども図書館、護国寺の鳩山会館、大手町の逓信総合博物館、白山の小石川植物園など、訪れたスポットは50以上。なかには東京生まれ、東京育ちの著者をして、初めて行ったと言わしめる隠れ名所も……。駅近辺の美味しいもの情報も満載です。片手に携えて地下鉄に乗りたくなる、新・東京ガイドをお楽しみください。
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Posted by ブクログ
『地下鉄の閉塞感、胎内感が好き』と酒井さんは書かれていたが
地下鉄のキモはまさにそこにあって
その閉塞感ゆえ好き嫌いが分かれる、ということに
図らずも気づいてしまった本でもあった。
関東の私鉄沿線に住む自分としては
都心に出るのに便利だと思うのは私鉄から乗り入れている地下鉄で
小さい頃から馴染みがあるのもやはり地下鉄だった。
窓の外に景色がない、という閉塞感にもある程度慣れているが
いろいろしんどくなってくると地下鉄に乗るのが苦痛になって
同じルートをバスに替えて乗ってみたりした。
そういう意味では自分にとって地下鉄はある種のバロメーターだったのかもしれない。
『胎内』という捉え方は全く頭になかったので逆に新鮮だった。
番外編の地方の地下鉄も、その半分には乗ったことがあるという事実に吃驚。
乗ってないのは香港と京都と札幌と神戸。
名古屋の鶴舞線も乗ってないや。東山線は乗ったけど。
首都圏で生活していると、地方の交通系カードの差異だとか
女性専用車の位置が違っていたりとか、いちいち新鮮でワクワクできるのが楽しい。
そういうワクワク感を酒井さんの筆致から感じることができて楽しかった。
ひとつ解せなかったのは、東京メトロの項で
何故か東西線だけが弾かれていた、ということ。
地下鉄といいつつ半分くらいは地上を走っている路線だから
仕方ない部分はあるのかもしれないけど
ホントにひとつだけポコッと抜けてたのが悲しかった。
申し訳ないけどそういうわけで☆4つのところをひとつ減の3つ。