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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文化論ということだけど、その当時の東北各地を旅した気分になれる紀行文としても楽しめた。
柳田の目に移った自然、土地土地の植生の変化とそれがみせる美しさや物悲しさ。
人間についていえば、今に通じる三陸大津波や豪雨後の様子、それに巻き込まれた人々、旅先特有の哀しさ。
特に目は口ほどに云々を如実に語る「子供の眼」は悲惨な境遇・体験に面してしまった子供の状況とその眼が語る様が、ひどく胸に迫った。
ほかの著書の口碑・伝承などから考察を巡らす内容は最後の「東北文学の研究」になるけれど、ここでの海尊系の話と八百比丘尼伝承との結びつきは面白い。
紀行文?と考察が楽しめる点ではお得な感じの一冊。