あらすじ
其れは、大正九年。僕が、数えで十七の春だった。
僕を殺して呉れないか
時は大正九年。一高入学を目指して志高く上京した田神正崇(たがみまさたか)が奇しくも出逢ったのは、謎めいた美青年、俟爵家の御曹司・斎木蒼磨(さいきそうま)だった。その時から、正崇の運命が狂おしく迸りはじめる――!!愛憎入り乱れる、美しくも悲痛な大正浪漫幻想譚!!
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Posted by ブクログ
時代は大正。人の業や欲が絡まり渦巻くドロドロ耽美な物語。
人を狂わせる程の美しさって不幸だなあ、、はじめは蒼磨のことただの鬼畜な男だと思っていたけれど、、少年時代の彼が不憫すぎる、、
そして健やかに見える正崇も実は暗い過去があり、ずっと心に影を抱えていた。
最後の最後まで新たな真実、怒涛の展開。
2人はどうなるのか?結婚は?そもそも生きてる???と色々気になる終わり方だし、必ずしも“ハッピーエンド”というかたちではないけれど、少なくとも2人の心が救われたことは、本当に良かった。
特に最後の2人が抱き合うシーンは結構長く描かれているけれど、いやらしいという印象より、傷付いた魂が癒されていく様を見てるようで泣ける。
今まで色々なことがあったけれど、まさかこんな2人が見られるとは、、
全体的に重くて闇深い。なかなか濃厚かつ過激なシーンもあるけれど、どんどん引き込まれて、読み進めずにはいられない。一気読みしたし、読み返す度に、またそれぞれの心情が見えてきて構想10余年、というのも納得の緻密さ。
余談だけどこれ「ふしぎ遊戯」描いた人と同じと知って驚き!幅が広い、すごいです、、
すごい内容。ずっとドキドキした。
確かに皆を惹きつけるお顔だけど、わかってて行為を写真に撮らせてるのもすごい。
男も女もってのもすごい。
Posted by ブクログ
僕を殺して呉れないか________
目新しい設定でもないのですが、物語のキャラ達が本当に
自分自身の意思を持ち、迷い悔やみ絶望し、翻弄されながらも
必死に生きているという気がとてもする。
最後は手放しのハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもなく、
お互いの人生の中で、道が交わり出逢い、関係を紡ぎ心に遺した
まま、また互いに違う道を歩むというのも確固とした意思を持つ
キャラクターだからこそだと思う。
続編・解説本を切実に希望。