あらすじ
洞窟の奥で、「空」とも思える影と邂逅を果たした琉花。その後現れた「海」は、琉花が飲み込んだ「隕石」を自ら引き受け、琉花を海上へと導く。そこで始まったのは――「本番」。ジムやアングラードが、海や空が、全ての生き物が、地球と宇宙が待ち望んだ、「本番」。その圧倒的な光景を、琉花はひとり目撃する……。
漫画家のみならず各界著名人がこぞって激賞、漫画家協会賞やメディア芸術祭など数々の栄誉にも輝いた、五十嵐大介初長編連載にして最長連載作品、ついに完結!
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Posted by ブクログ
「宇宙をひとつの生命体とするなら、海を抱く地球は宇宙の子宮である」という思想と、その思想を表現するのに十分な絵の力があってこの物語は成立している。
よく指摘されているように、これはエンタテインメントとしてのコミックの枠からはみ出しており、人間と地球と宇宙の関係を語る叙事詩になっている。
目に見える結論がはっきりと出されていないため(もし出せば自己矛盾を起こしてしまう)、難解だと受け取られがちだけども、これはもう「考えるな、感じろ」の世界だね。
「本当に大切な約束は言葉にできないもの」って何度も出てくるけど、それは言葉にすることによって、言葉で救いきれなかったものたちが削ぎ落とされてしまうからで、しかも削ぎ落とされてしまったものの方が本当は多いのだ。