【感想・ネタバレ】シューマンの指のレビュー

あらすじ

音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。(講談社文庫)

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「シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――」
2011年本屋大賞5位にランクインした音楽ミステリー小説『シューマンの指』。
この作品をオススメしたい理由は、なんといっても作者の圧倒的な描写力!!私はシューマンの曲を全く知らなかったのですが、読んでいるうちになぜか頭の中でシューマンの音楽が鳴り出したのです!
音楽小説にして極上の青春ミステリーである本作は、魅力的なキャラクターたちのストーリーを楽しみながら同時に音楽の知識も身に付くという、一粒で二度おいしい作品です。
ミステリーファンだけでなくクラシックファンの中でも話題騒然となった本作。面白くてほかにはない小説を探している方は、ぜひご一読ください。読み終えたあと、シューマンの曲を聴きたくなること間違いなしです!(私は我慢できず読んでいる最中にCDを購入しました…)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

クラシック音楽専門書かと見紛う程、その詳細な内容の充実度に圧倒されるばかり。専門とする私には至極面白いし勉強になるしついて行けるけれど、全く専門外の人の中には小説の芯を見失う可能性もあるかもしれない。もちろん専門としなくとも十分丁寧かつ鋭敏に繰り広げられる物語はすべての人の心を離さないと思う。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シューマンに対する知見が全くない僕でも、一種のシューマン論評を読んでるかのように魅力的な音楽性、フラジールな人物像を学んでいるという感覚。前半は特に。
これはミステリーになりうるのか?と思ったら急に殺人事件。後半はあれよあれよと畳み掛ける展開で一気に読み進めてしまった。

それでも音楽を文字で表現するときの幻想的形而上的言葉の紡ぎ方が心にじわっと染み込む感覚が好き。後、言葉のチョイスも深遠で幅広くて、比喩表現も巧みで好みな文章だった。

総じてストーリーとしてはどんでん返し系。こんだけ語り尽くした物語がまさか。。。って驚きは初めてでやられた!というか推理はもう諦めてた!

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2019年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかったー。とりあえず通り一遍にしかシューマン聞いてなかったので、改めて聞こう。
ラスト近く、かなり耽美~な、てかBLつかジュネ?な展開で、あれま!と驚いたw いや、まあアリですが。
他の方のレビュー読んだらわりと不評が多いのですな。うーん。音楽については、興味はあってもさっぱり詳しくない私に特に違和感なかったんだけど。ミステリーについては、ぶっちゃけこれまで読んだ中でうなるようなうまいのて、ごくごくめったにしかないからw 別にこれが批判に値するとは思わなんだ。

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2017年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

音大をめざす高校生が主人公。
結局音楽の道に進まなかった現在、過去を振り返って語る。
昨年の夏に読んだ『船に乗れ!』と同じ構造。

しかし、目には見えない音楽を目に見えるように、本からは聞こえない音楽を聴こえるように、感覚としてわかるような描写が魅力だった『船に乗れ!』とは違い、楽典の講義を受けているような(受けたことないけど)論理と言葉で音楽を語るこの作品は、読んでいて大変疲れました。

物語半ばに殺人事件の被害者が突然出現したけれど、だからと言ってミステリに引っ張られることもなく、音楽を軸に結ばれた仲間たちの話は淡々と続く。

残り50ページから殺人事件の真相を暴くことに筆が向かったように見えるけれど、やっぱりあくまでも主眼は音楽なんだと思う。
作者が書きたかったのは音楽家としてのシューマンであり、自我の分裂に悩む人間としてのシューマンだったのではないか。

そう思いながら解説を読むと、この読み方はまんざら外れてはいないらしい。

とはいえ、ミステリとしての体裁をとっている以上、ネタバレになりかねないことは書けないので、これ以上書くことはないんだなあ。
クラシック音楽、特にシューマンに興味のある人は読んだ方がいいと思うけど、ミステリと思って読んだらちょっと肩透かしかも。

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2017年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初奥泉。ミステリィとして読み始めたから、最初は読むのが苦痛でした。。特に魅力的な(?)事件も起きず、全く判らない音楽談義(主にシューマン)が永遠と続き・・とても退屈で、よく挫折しなかったものだ。しかし、徐々にではあるが面白く感じられるようになった。そして最後には『マジかっ!?』と、拍手を送りたい。帯に偽りなし!ホント純文学にして傑作ミステリィでした。

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2016年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自己満足文体。最終章を読むと、だからね、と僅かながら思うが、それを最後まで読まされる身としては辛い。音楽が文字から聞こえるタイプの話ではなく、ひたすらシューマン取り巻く蘊蓄。目が滑る。

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印象的には昭和の文学のような地の文の雰囲気がある。
ご友人のピアニストの方の協力もあったからか
かなりの分量が挟み込まれている音楽談義が
非常に重く、クラシック音楽を知らない人には特に難解で
その割にミステリ要素の部分には意外とそこまで
関わってこない。
シューマンの人となりが主なポイントになってくると思う。
元々ある程度の知識がある方、ピアノを習っていたことがあるとかシューマンが好きであるとか
そういった方はかなり楽しめるのではなかろうか。

このシューマンに関する記述が出典があるのか
オリジナルの創作なのか疑問に思う部分があった。
ソースを検索してみたが見つけられなかった。


ネタバレになるが
まず殺人が起こるタイミングがかなり遅めであり
長々と主人公の語りが続く点、
主人公の名前が中々明かされない点から
修人がシューマンからくる実在しない人間オチだったら嫌だな、まるでオヤジギャグなネーミングだし
と途中で思ってしまったもので
まさかその通りの展開になってしまってがっかりした。

実は主人公が書いた小説である、といったパターンかなと思っていたのだが
幻想、狂気、というオチはミステリとしては残念。
だったらなんでもありではないかと思ってしまう。
手記の中で本人の告白があったが実はこうで、という
ネタバラシかと思いきや
更に妹の手紙という回答編は唐突感もあったし
怒涛の展開、どんでん返しというよりは
すぐに覆されて冷めてしまった。

殺人事件自体も唐突な印象だし
トリックや動機を予想しながら楽しむような描写ではないので、自分の好きなミステリとは違ったようだ。

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2021年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やれやれ。すごい小説だとは思うものの、いろいろ性に合わなかった。シューマンの音楽の描写や、音楽の演奏についての考え方、BL展開...。私もシューマン好きなんだけど。

一点、殺人の夜に、音楽室でピアノが魅惑的に弾かれるシーンが魅力か、、

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2017年05月11日

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