あらすじ
クモは人間よりはるかに長い4億年の進化の過程で、糸を生み出した。
住居をつくるのも糸、餌を捕えるのも糸。
クモの糸は伸縮性、耐久性などで現代のハイテクをしのぐ高い機能性をもっている。
高分子化学を専攻していた著者はクモの糸にからめとられて20年余、試行錯誤をくり返しながら、「自然から学ぶサイエンス」を実践してきた。
安全性を考慮し、リサイクルに配慮した糸をつくるクモに、われわれが学ぶことは多い。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 クモの不思議に出会う
第2章 クモの糸を採る
第3章 クモの糸から世界が広がる
第4章 クモの糸の神秘的な性質
第5章 クモから学ぶ環境と応用
第6章 安全性の科学
<内容>
趣味のクモ観察から、とことんやり遂げ、クモの研究で大学教授になった人の話。特にクモの糸に興味を持ち、いろいろな人の協力を仰ぎながら、第6章にあるように、一見関係なさそうな、エレベ-ターや高層ビルの外壁掃除のコンテナの昇降などに関わるワイヤの安全性の話まで、なかなか興味深かった。クモの横糸だけが粘着性があり、クモ自身は縦糸を伝わって移動するとか、クモの気分で糸を出さないとか、クモの観察もおもしろいのだなと思う。