あらすじ
豊臣秀吉は、悪か善か!? 当時の世界情勢、現代政治の視点、法制史的意義、そして皇室、全く新しい視点で読み解く秀吉像!
■秀吉再考■
本当の天才は信長ではなかった?
教科書も大河ドラマでも絶対に触れないタブーとは。
世界史の中の豊臣政権の位置付けからインテリジェンス。そして歴史のIFも検証。
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』を見る前に読むべき1冊
あなたは今でも秀吉に騙されている
◇秀吉には友だちがいない!! だから二千年に一度の人たらしの名人に。
◇なぜ秀吉は貧弱な体なのに出世できたのか
◇最近の歴史観に異議! 信長の天下統一に時代の必然などないのでは?
◇信長のポンコツ家臣団と現代でも使える号令、命令、訓令
◇比叡山焼き討ちは現代の国際法に照らすと実は合法!?
◇信玄の死の確認などは、北朝鮮指導者の生死確認に近い
◇戦国時代はプロパガンダと間接侵略で勝負が決まる
◇光秀と秀吉はインテリジェンス・オフィサー? どちらが悪人か?
◇秀吉側近の泣きたくなるような三バカ家臣
◇2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公、豊臣秀長ってどんな人?
◇みんな大好き信長方面軍は、本当に方面軍だったのか?
◇包囲戦はノーリスクどころか、一つのミスで破滅
◇秀吉黒幕説が成立しない決定的理由
◇中国大返しよりも決定的に重要だった心理戦と覚悟
◇光秀が勝つにはナポレオンになるしかなかった
◇清須会議後の地政学と、光秀だけを悪者にした秀吉・家康のプロパガンダ
◇ゼレンスキーと上杉景勝
◇百年ぶりに譲位を行った秀吉の業績
◇権威を使い倒した秀吉が「開かれない皇室」を作った
◇豊臣平和令は近代法に先駆けていた
◇豊臣秀吉は近代の扉をも開いた
◇北条が信長には従い、勝てるわけがない秀吉に抗った本当の理由
◇秀吉から学べる、自力救済の禁止の意味と文明国の条件
◇プレ三十年戦争、極東戦線
◇伴天連追放令は実に極めて判断だった
◇頭がおかしいと思われた朝鮮出兵だが、再検証してみると……
◇秀吉の朝鮮出兵の問題は、完全に勝てる戦を負けたから
◇豊臣政権が続かなかった最大の理由は秀次事件
◇結局、秀吉政権が存続できる条件は?
日本人で知らない人はいない、不世出の英雄です。それでいて、秀吉を描くのは極めて難しいのです。
なぜ、難しいのか。
秀吉は江戸時代から昭和の敗戦まで、そして戦後しばらくは、“日本一出世した男”として明るい善玉のイメージで描かれるのが、もっぱらでした。しかし、二十世紀が終わりになるころから、その残虐性が強調されるようになってきました。
秀吉を善玉として描くか、悪玉として描くか。はたと悩んだのですが、結局ありのままの秀吉を、ありのままに描けばいいのだと気づきました。本書は秀吉の最新研究を踏まえ、ありのままの秀吉をありのままに描きます。
ただ、それでもやはり、秀吉が難しいのに変わりありません。なぜなら、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の、いわゆる“三英傑”の中で、秀吉だけは本物の天才だからです。(中略)
秀吉の何がどう凄いのか。
本書では、当時の世界情勢の流れを俯瞰し、現代の政治を読み解くにも使える視点を使い、秀吉の法制史的意義を提示し、そして皇室の役割を見直します。(本文より)
【著者プロフィール】
倉山満(くらやま・みつる)
憲政史研究家。1973年(昭和48年)、香川県生まれ。(一般社団法人)救国シンクタンク理事長・所長。1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士後期課程単位取得満期退学。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。主な著書に、『ウッドロー・ウィルソン全世界を不幸にした大悪魔』(PHP新書)『検証検察庁の近現代史』(光文社新書)、『バカよさらば プロパガンダで読み解く日本の真実』『若者に伝えたい 英雄たちの世界史』『救国のアーカイブ』『皇室論』(いずれも小社刊)など多数。
現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」や「チャンネルくらら」などで積極的に言論活動を行っている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
憲政史家の倉山満が説いた豊臣秀吉の歴史上の位置づけについて。
信長や家康と違い天才というのはその通りだと感じた。
それだけに晩節を汚したのが惜しく感じた。
Posted by ブクログ
この本の著者の倉山氏の本はこれで29冊目となります、この本では有名な豊臣秀吉について、最近の研究を踏まえた、私にとっては新たな歴史的事実をベースに秀吉が、信長・家康と比較してどういう点が優れていたか(劣っていた点も)を解説しています。
秀吉に関する本は何冊となく読んできた私ですが、どの本でも新たな気づきがあり、読書をする楽しさを保持させてくれます。
以下は気になったポイントです。
・信長は天才だというイメージがあったが、 最近の研究では、 信長は 革命的な人ではなくて、むしろ「 復古の人」だと言われている。信長は中世人であって、 近世人ではない、 つまり 無から有を生み出す天才ではなく、むしろ 努力と工夫の人であった。 凡人でもできる努力を積み重ねたかゆえに、 非凡な成果を出した(p9)
・ポルトガル人も スペイン人も日本を植民地にできなかった理由は、1)日本人が賢いから、 危機意識が強かった、2)経済大国 かつ 資源大国であった、農業大国でもあった、3) 軍事力が強かった(p23)
・ 秀吉の「 墨俣一夜城」のエピソードは有名であるが、城を早く気づくのも重要であるが、 作っている時に相手が 宝 攻められないように現地の土豪を調略する方が大事(間接侵略)であった (p29)
・秀吉は戦国時代だから 通用した、実力がなければ 凋落するが 家柄がなければ人は動かない、 戦国時代とは 地方でこそ成り上がれても 誰も 足利将軍家にとって代われない 室町の権威主義を引きずっている時代である(p38)
・号令は目的も裁量も関係ない、 ただ言われた通り やるだけで、 発令者に責任がある。 発令する側が事細かに指示しなければならない。 命令は、 発令者が 目的を示し 手段を限定する、受令者は与えられた条件で裁量がある。 訓令は 発令者は目的を示すだけ、受令者に裁量(権限)が付与される。戦国の三英傑 では、 信長が号令、 秀吉が 命令、 家康が 訓令の人と言われる(p47)
・信長は 失敗しないから凄いのではなく、失敗した後の判断と行動がすごい(p56)
・比叡山延暦寺の信長による焼き討ちは、現代の国際法に照らしたら合法である。 なぜなら比叡山延暦寺はお寺だから 中立地地帯 のはずである、中立とは 片一方の公選者に加担してはいけない義務がある、中立 義務のある 延暦寺は公選者の双方を延暦寺に入れてはいけない。ところが延暦寺は 朝倉・ 浅井の兵を駐屯 させた、信長は延暦寺に対して3度にわたり撤兵勧告をし、非戦闘員を逃せとまで警告しているが拒否している(p62)
・ 兵糧攻めは攻める側にとっても ノーリスクの戦いではない、 包囲網のどこか 1点でも破れたら全てが崩壊する(p115)
・ 織田信長 も 豊臣秀吉も実力で天下を取ったが 、実力がなくなると 滅びた。 徳川は続いたが戦乱が続いていればどうなったかわからない。日本の特徴は、一番強い人が一番偉い人にならない。 強い人の力が衰えると争いが起きて一番強い人が決まると、一番偉い人(天皇)に認められて世の中が安定する(p161)
・ 秀吉も 小田原攻めの後であれば「 豊臣幕府」 もあり得たかもしれないが、 その時にはすでにはるか上の地位にいたので 将軍になる必要がなかった。征夷大将軍になった時点で、 源頼朝・ 足利尊氏も 関東を制圧している、後の 徳川家康 もそうである(p165)
・天下人の定義を「京都を支配した 権力者」と定義すると、 細川・ 大内・ 三好・ 柳本・ 松永・ 小田・ 羽柴 が、小牧・長久手の戦い 以前にいる(p172)
・海賊が人類の敵になったのは1856年 パリ条約からである、 この条約は 英仏がオスマントルコを助けて ロシアと戦ったクリミア戦争の和平条約であり、 この時 初めて 海賊が禁止された、その後にテロリストも同じ扱いにされた(p183)
・ 日本では豊臣秀吉の時代に「惣無事例」「海賊停止令」「 刀狩り」が天皇の名前で行われている(p185)
・側室は正式な妻で相応の財産権があり、 愛人ではない。 お手つきは、一夜妻(愛人ですらない)(p191)
・ヨーロッパの国々は 連合軍で戦ってもオスマントルコには勝てなくて、 (スペインが勝ったとされる レパントの戦い(1571) の後も 地中海の制海権 は、オスマントルコが握って いる。したがって スペインはアメリカ大陸、 ポルトガルはアフリカ大陸へ向かう、 弱そうな国を征服しながら日本にやってきた(p220)
・信長は比叡山焼き討ち などで 宗教弾圧をするように思われているが、権力に従い 他の宗教に迷惑をかけない宗派は 保護している。寺は焼きまくったが、神社は1つも焼いていない(p223)
2026年5月4日読破
2026年5月4日作成
Posted by ブクログ
豊臣秀吉の評価って、時代ごとにびっくりするほど変わるらしく、「いま一度フラットに秀吉像を見てみよう」という一冊でした。
前半では、農民の子として生まれた秀吉が、どうやって信長の家臣として頭角を現したのかが語られます。若い頃の具体的な記録こそ少ないものの、働き者で実務に強かった姿がうかがえて、「あ〜こういうタイプ、出世しそう…」って思わず納得。
中盤では、光秀や秀長など周囲の人物がめっちゃ魅力的に描かれていて、正直そっちに興味を持っていかれました(笑)。特に光秀の万能っぷりには驚き。なのになぜ本能寺後に味方がつかなかったのか…謎は深まるばかり。
後半は、中国大返しから太政大臣になるまでの“駆け上がりっぷり”が爽快。一方で、秀長の死後にブレーキが効かなくなり、朝鮮出兵に突き進んでしまう姿には、やっぱり権力者の孤独と暴走を感じるところも。
個人的には、皇室との距離感や「姓を賜る」ことの重みなど、知らなかった歴史雑学がいっぱいで楽しかったです。秀吉そのものよりも、光秀・秀長・謙信あたりのキャラがやたら立っていたせいで、読みながら何度も寄り道してしまいました(笑)。
秀吉の入門書、というより「ある程度知識がある人が読むとより味わい深いタイプ」の歴史本。読み終わったあと、戦国時代の空気感までちょっと好きになりました。