あらすじ
「おまえさん、ナニサマのつもりだ」(by猫)――『吾輩は猫である』が生まれた舞台裏には、こんなドラマがあった!?明治36年(1903)4月、小泉八雲が辞めさせられたことで学生たちの不満うずまく帝大に、夏目金之助(のちの漱石)が講師として赴任する。不穏な空気の中、学生たちの冷たい視線に晒される金之助は、毎日、不満と苛立ちを抱えながら教壇に立っていた。さらに、失恋で人生をはかなむ学生・藤村操が目の前に現れ、金之助の気持ちはますます不安定になっていく。そんなとき、一匹の小さな黒猫が夏目家に迷い込んだ。心を病み始めた金之助は、その黒猫と会話をし始める。しかし、その黒猫と会話ができるのは金之助だけだった。一方、病ゆえに突如として怒りを暴発させるようになった金之助に対し、妻・鏡子は一念発起。金之助の病を治すべく、ある行動を起こしたのだが……。夏目漱石を長年にわたって研究し続けてきた著者が、歴史的事実をモチーフに、不世出の文豪が誕生するまでをドラマチックに描く、異色の長編小説。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「ねこ先生」が改題で、最初に書かれたのがこの本でした。
夏目漱石の本は読んだことはないのですが、夏目漱石のことは、司馬遼太郎の小説で正岡子規の友人であるとか、イギリスに留学して神経を病んだとかの予備知識はありました。
また、三浦雅士の「漱石 母に愛されなかった子」も読んでいて、今回、すっとこの小説に入れました。
小泉八雲の後釜として帝大の講師となったころからのお話で、猫とのからみ、家族との関係、寺田寅彦との関係など、漱石が「吾輩は猫である」を書くまでに至った経過がとってもよく理解出来ました。
ストーリーも自然な流れでとっても読みやすかった本でした。
Posted by ブクログ
夏目漱石に関わるひとたちの文章が好きだ。夏目漱石本人の文章ももちろん好きだけれど。
お茶漬けみたいな文章だと思う。
なにはともあれ、登場人物たちが魅力的だ。
すごくかっこいいとか、人間的に素晴らしいとかではないのだけれど、なぜか惹きつけられる。
夏目漱石に興味はあるけれど、とっつきにくいなぁという方には非常にお勧め。
Posted by ブクログ
「吾輩は猫である」言わずと知れた夏目漱石の本だけど、実はまだ読んだ事ないんだよね^_^;
でも、この本読んだらちょっと読んでみたくなっちゃった♪
かの夏目漱石もウツだったんだ
そう思うとちょっと心が軽くなる気がする(笑)
小泉八雲と夏目漱石の関係、華厳の滝に身を投げた藤村操さんがまさか夏目漱石の教え子とは・・・
ネコと会話する夏目漱石 思い浮かべるだけでちょっと楽しい
夏目漱石が英語の先生だったなんて 今の今まで知らなかった(ラフカディオハーン=小泉八雲は知ってるのにね)
興味が無いって ホントに残念な事だよね
自分の好き好きだけで判断せず、色んなジャンルの物に手を出すのも勉強になって世界が広がるかも
思いのほか楽しく読める一冊でした\(^o^)/