あらすじ
寧(北政所)と茶々(淀殿).現代の目は,この二人を秀吉の妻と愛妾と見て,あたかも対立したかのように捉えてきた.しかし実は,二人は連携して豊臣家を運営,大きく動く歴史の中で確かな役割を果たしていた.本書では,妻,母,姉・妹,養女,奥女中など,女たちの足跡をたどり,一夫多妻の豊臣家の真実に迫る.
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Posted by ブクログ
激動の時代の中で生きた豊臣家の女性たち。
秀吉の家族はもとより、妻、養女、更に豊臣家を支えた
奥女中にも焦点を当て、彼女たちの人生を史料から
解き明かしてゆく。
・はじめに
豊臣家・京極家・織田家略系図
第一章 豊臣秀吉の家族
第二章 一夫多妻の豊臣家
第三章 秀吉の婚姻戦略――養女たちの行方
第四章 豊臣家を支えた奥女中たち
第五章 大坂の陣をめぐる女たちの攻防
・関連年表、読書案内
・おわりに
豊臣家の女性たちの姿を史料から探り、考察を加えている。
秀吉の家族では、秀吉の母・大政所。
姉・智。妹・旭。秀長の妻と娘。
江戸時代まで長命で生き、92歳で没した智は別格として、
本当に史料が少ないなぁと、しみじみ。
秀長の正室なんぞ、名もその後もよく分からない。
智の子・秀次の、死に追いやられた妻子たち。
秀吉の正室・寧の血縁の小早川秀秋の、妻になった古満の事。
徳川秀忠と江の娘で徳川秀頼の妻正室・千と娘のその後も。
妻たちでは、秀吉を支える正室・寧、
二人の若君の母となった浅井茶々の他に、
消えた秀吉の妻。南殿と子、織田信包の娘・姫路。
最も寵愛された京極龍。
信長の娘・三ノ丸殿と前田利家の娘・摩阿。
養女を得て、育て、嫁がせるのは、政略と縁戚関係の強化が
目論みではあるが、夭折や若死にもあるし、権力の変遷は
彼女たちの運命を変えてゆく。前田利家の二人の娘。
織田信雄や豊臣秀長の娘、浅井江など。
奥女中たちでは、豊臣家の奥付き統括№1の孝蔵主と
№2のちゃあ。寧を支えた老女の大谷吉継の母・東。
奥向総取締の寧の実母・朝日など。
そして大坂の陣で、殉死した大蔵卿などがいた一方で、
生き延びた女性たちもいたこと。
「おきく物語」の現代語訳があったら読んでみたい。
豊臣家関係の様々な史料から浮かび上がる、多くの女性たち。
今まで知られていない、或いは名前だけは知っていた人物に
ついて、詳細にその姿を解き明かしているのが良かったです。
孝蔵主や大蔵卿についても詳しく、その有能さも分かりました。
中でも、豊臣小吉秀勝と浅井江の娘・完子が
豊臣の血筋を女系で伝えたことは、興味深かったです。
Posted by ブクログ
実は最終章を読み終えていないが・・・
豊臣家の女性たちを最新の研究成果とともに描く。
側室とは言え、妻である。
妾と妻は違う。そこが明瞭。
ゆえに、茶々はねねと同じく、妻。
一番目の妻か、子を産んだ妻か。という違い。なるほど!
今年の大河「豊臣家兄弟!」
最近の織豊時代研究が生かされている気がするんだけれど、
この本も反映されているのかな。
たとえば、浜辺美波さん演ずる、おね。
著者いわく、決して賢夫人ではないと・・・
本能寺の変の後、ほんらいだったら城(長浜城)を守り通すべきなのに、
おねは逃げ出している。
定説では、後の大政所(秀吉母・とも)がいっしょで
その身を守らねばならなかったからと言われているけれど、
そのとき、母ともは、秀長の大和にいたらしい。
大河ではよ実は最終章を読み終えていないが・・・
豊臣家の女性たちを最新の研究成果とともに描く。
側室とは言え、妻である。
妾と妻は違う。そこが明瞭。
ゆえに、茶々はねねと同じく、妻。
一番目の妻か、子を産んだ妻か。という違い。なるほど!
今年の大河「豊臣家兄弟!」
最近の織豊時代研究が生かされている気がするんだけれど、
この本も反映されているのかな。
たとえば、浜辺美波さん演ずる、おね。
著者いわく、決して賢夫人ではないと・・・
本能寺の変の後、ほんらいだったら城(長浜城)を守り通すべきなのに、
おねは逃げ出している。
定説では、後の大政所(秀吉母・とも)がいっしょで
その身を守らねばならなかったからと言われているけれど、
そのとき、母ともは、秀長の大和にいたらしい。
(大河では吉岡里帆さん演じる秀長/妻との方が馬があったのかも)
いずれにせよ、おねは城と討ち死にの覚悟がなかったというわけ。
そういえば浜辺美波・おねは、既に藤吉郎に「わがままだ」と言われ、
おつきの女性も大勢逃げ出しているもんね。
坂井真紀さんのともさんとも、ちょっと小競り合いしていたしね。
これは、豊臣兄弟のことし、手元に置きたい一冊。
Posted by ブクログ
「江の生涯」(中公新書)が面白かった福田千鶴の本。今年の大河ドラマを楽しむための副読本として読んだ。本作も目鱗の話が沢山紹介されており勉強になった。著者の一次資料を大事にしながら歴史を読み解く力には信頼感が持てる。やはり歴史は時折最新の研究にふれてアップデイトしていく必要がある。
紹介したいエピソードは沢山あるが、一番感じたのは秀吉秀頼、或いは寧々や茶々を取り巻く妻や女中たちが、あたかも豊臣株式会社を盛り立てるべく一丸となって立ち働いていた事がよくわかる。従来は寧々と淀君は対立関係にあリ、それが豊臣家滅亡の一因の様な文脈で語られることが多かった様に思うが、福田氏の丁寧に資料を読み解いた解釈からは違う事も分かる。また、そもそも秀頼はほぼ確実に茶々の実子であること。この時代は一夫多妻制で序列はあるにしろ寧々以外は全部側室という解釈は違うという指摘などは新鮮でもあった。
本書では列伝形式で多くの女性が紹介されている。全く聞いた事のない女性も多く、この時代の常として養子に行ったり、名前が変わったりで読解に苦労する場面も多かったが中々の良書であると思う。