あらすじ
〈五感のすべてを響かせる描写が素晴らしい。
時代の空気を見事に捉えたこの物語は、
まさに「いま」読んでおくべき一冊!〉
内田剛さん(ブックジャーナリスト)
僕たちは黄金をもっている。はずだった――
ここは、夢を追う若者たちの共同住宅〈アパルトマン黒猫〉。
イラストレーター、アイドル、書道家、脚本家……
自分の黄金(たったひとつの才能)を信じるアーティストたち。
生成AIの進化に芸術が脅かされる時代、
彼らが手にした黄金は、いつまで黄金であり続けるだろうか。
夢を失ったピアニスト・梨音は、
アパルトマンの管理人になり、
芸術と真剣に向き合う住人たちと交流することで、
少しずつ変わっていく。
『後宮の百花輪』、『パンダより恋が苦手な私たち』など
好評シリーズの著者による、
芸術家たちの青春ストーリー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごく個人的にはぐさっと刺されたお話でした。私は小学生から高校までずっと書道をしていましたが、同じ教室にどう足掻いても届かないような才能の持ち主がいて辞めてしまいました。だからといって書道が嫌いになったわけではなく、好きですしまたやりたいと思っています。
何かに打ち込んだとしても、それが評価されるのはほんの一握り。芸術に限らず、スポーツも勉強もそう。何かに打ち込んできた人には、すごく胸に刺さる物語だと思いました。
黄金を選んだから、水飴を選んだから、勝ち負けなんてことはない。けれど人生が大きく変わる選択。10代から20代の間に選んだものは、その先の人生に大きく関わってくると思います。何かに打ち込んできた人だけではなく、
これから大きな選択をする人たちにも読んで欲しい作品だと思いました。
また、美琴さんが最後に出てきてくれたのが私はいいなと思いました。美琴さんも梨音も前に進める終わり方が素敵だと感じます。