あらすじ
【スポーツで、ビジネスで、世界での闘いは“ルール作り”からはじまる】
スキージャンプ、F1、柔道などの「国際スポーツ」で、半導体、自動車、大型二輪車などの「国際ビジネス」で、日本が勝つとルールを変えられるのはなぜ?
日本人と欧米人とのルールに対する考え方の違いとその理由を解き明かし、日本人がルール作りへ参画するにあたって持つべきプリンシプルと、失ってはいけない美徳を語る。
スポーツ、ビジネス、行政関係者など、さまざまな分野のプロフェッショナルから反響を呼び、「国際感覚が磨かれる」「日本的な考え方の良し悪しが分かる」と多数の読者からご好評をいただいた『ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』(2009年12月刊行)に大幅加筆した増補改訂版。
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Posted by ブクログ
●1980年代後半、ターボによる圧倒的な強さで連戦連勝していた「HONDA F1」。すると、数年後にはターボが禁止に。はたまた、スキージャンプも原田や船木が活躍し、日本が金メダルをとると「スキー板の長さを身長に合わせる」など日本に不利なルールへすぐに変えられた。当時は日本への嫌がらせだと思っていたが、この本を読むと少しスッキリする。なぜなら、これらのルール変更は、日本人と欧米人との哲学や考え方の違いからくるものだとわかったから。非常にわかりやすく、日本人と欧米人の考え方の違いを教えてくれている。一度でも、スポーツのルールで、嫌な思いをした方は是非この本を読んでみては。でも、やっぱり日本的な哲学のほうがスッキリするなあ。
Posted by ブクログ
■ルールとプリンシプル
A.ルールは石に刻まれたものじゃなくて、スタンダードみないなもの。守るだけじゃ強くなれない。
B.日本人は「ルールは誰かが作る物だ」と思っているものです。しかし、これが欧米や中国になると「ルールは自ら作る物」と考える人はたくさんいます。
C.日本人の立ち振る舞いの美しさ、行動の美学というのは、ルールではなく私たちのプリンシプルであり、そのまま欧米人に当てはめるわけにはいきません。
自分のプリンシプルに合うものは賞賛するが、合わないものは批判するという態度では、逆に相手から非難を受ける事にもなりかねないのです。
D.勝ちすぎは社会を豊かにしません。特定の企業が市場を独占すれば、商品を買う人に選択の楽しみがなくなってしまうし、スポーツで特定のチームばかりが勝っていると、ゲームの面白さが消えていきます。さらには企業同士、チーム同士が切磋琢磨して技術を高め合う機会もありません。
E.制約はビジネスの飛躍のカギ
Posted by ブクログ
客観的に見れば非常に独特で珍しい思想や文化を持つ日本人と、
欧米人の、ルールに対しての考え方の違い等を著者の体験等から分析検証した本。
表題に釣られて買ったが、読み進めて行くとそれが勝手な思い込みであると判る。
1章
日本人、ルール変更をなぜずるいと思うのか。
1,日本文化の中に存在する行動や戦いに関する美学
2.欧米とのルールに関する考え方の違い。
3、ルールとプリンシプルの混同
ぶっちゃけ勝負より美学を大事にしているのかも‥の点に非常に同意。
日本人、ルールは他の誰かが作るものだと。
2章
1,欧米、ルール作りも戦いに含まれる
2,その戦い方をずるいと考える
3,当座は、それを作ったほうが有利に展開できる
3章
1,変更側が必ず勝つとは限らない
2,された側が勝者のケースも
3,特定に有利な変更は、勝ち過ぎを助長することもある
この本を読む直前、「超」入門 失敗の本質 鈴木博毅 著 を読んでおり、
それから考えると
4章は非常に悪い意味での、型にはまり自己に執着し相手に凌駕される日本人像に思え、
個人的にはあまり同意せずサラリと流した。
5章
ルール作りに関する著者からの提案
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その、「超」入門 失敗の本質 鈴木博毅 著 で腑に落ちない部分がこれを読む事で補完され、
こちら本の日本人的考え(から抜け出せていない部分の理解)が、
その「失敗の~」で補完つまり相互補完された感じで、
結果的に非常に為になった。
理解が上がった。拡がりを得た。
Posted by ブクログ
組織内ルール作成に携わることになったので読んでみたけど,ちょっと違った。でも「喧嘩をしすぎて全体を壊してしまってはどうにもならない」は全くその通りかなと。法務部・知財部は気をつけなくてはならない。あと,ルールづくりに積極的に携わってみようと思うことが大事らしい。それはやってみたいなとおもった。そして,ルールを定めるときには最初は社益・私益でもいいけど,最後は公益だと。機会があれば手をあげてみたいな。
Posted by ブクログ
大半の日本人が「ルールとプリンシパル」を履き違えていることが良く分かる。
本の内容から若干逸脱するが、そもそも日本人の大半は「ルールは守らないといけない(守らないと村八分になる。村八分が嫌だからこそ(本来倫理的にオカシイなと思うことですらルールだからという理由で)「なぁなぁ」にしている感がある)」。ルールは時流によって変わるべきで、ルールを作った側にとって都合が良いだけで実は大半にとってはネガティブでしかないことは沢山あると思う。ルール以前に、プリンシパル(僕は倫理観や道徳観と解釈するが)を確立できている人であれば、「人として絶対にやってはいけないこと」を踏まえて行動できるはず。極端な例で言えば「人殺しはいけません」ということなどが当てはまろう。
このプリンシパルすら確率できていない人がルールを守れる訳もなく、実例を挙げるならば、例えば金融機関において絶対にやってはいけないことというのが、顧客の資産を自己の判断に基づき勝手に商いを行うという行為がある。その彼は全国でトップセールスマンだったが、結局(噂ベースでは)そのやってはいけないことをして最終的に解雇されたという(勿論、こんなこと決して公にはならないけれども・・・年に数人はいるしバレずに解雇されずヌクヌクと働いてる人もいることを知っている)。こういうことはルールやコンプライアンス以前に、そもそも人の倫理観としてやってはいけないこと、と分かる筈なのに、エゴの為に自分を律しれずプリンシパルを逸脱して、結果第三者に迷惑をかける(倫理観に反する)ということに繋がる。
そして、ルールは完璧でもないし必ずしも正解ではないのに多くの日本人はそれが正解だと大きな勘違いをしている。ルールは自分の立ち位置によって、いくらでも解釈の余地がある。結局はプリンシパルに則って判断し行動できるかどうか。
なんてことを感じた一冊。本の内容自体はイマイチやったかな。
とまぁ、欧米が押し付けているこのグローバル競争で生き残っていく為には、彼らのマインドを理解してネゴシエーションに負けないようにしないと、いつまでたってもやられっぱなしになるでしょう。