あらすじ
東京の地下に広がる巨大な街・地下迷宮街。地下道のどこからでも入ることができ、悩みを抱える者、陽の下に居辛くなった者が迷い込むという。そして街の中には、見惚れるほど美しい魔女が営む、不思議な力を持ったレトロな雑貨を売る店があるらしいが……。魔女は心の暗がりを包み込み、人々に光射す未来への縁を紡いでいく。蟠りを抱える人々と昔懐かしいレトロな魔法の雑貨が織りなす、ちょっぴりダークであたたかな連作短編集。惑い悩むあなたの心の影にもきっと明かりが灯ります。
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Posted by ブクログ
東京の地下深く、悩みのある者が迷い込む迷宮。
下に行くほど暗く、そこに住まう者は光から遠ざかっていく。
それでも、迷いある者をぎりぎりのところで救おうとする魔女蓮華は一筋の希望。彼女が扱う不思議な力を持つ商品。吉と出るか凶と出るかは使う人次第だから、彼らがそれを正しく使えるか、ハラハラする。
蓮華と店のゴーストの関係も切ない。
ゴーストの正体にも、、、
金魚屋や、灯り屋、他の住人をメインにした続編も読んでみたい。
Posted by ブクログ
迷いや罪、悩みを感じている人間が迷い込む地下街で、レトロ雑貨店を営む魔女の蓮華と思い出のレトロな品に、迷い込んだ人たちは救われ、未来への光を見つけることができ救われた。じーんと感動する心温まるほっこりストーリー。
Posted by ブクログ
「今日も魔女として人々の縁を紡ぐ。彼らが人生という迷宮に迷わないように、アリアドネのまねごとをしてやるのだ。」p213
東京の地下迷宮街。そこは望んで踏み入ることは叶わず、突如として人々を招き入れる異様な世界。そして人は言う、地下三層の魔女の店より先には行くなと。
願わずも地下迷宮街にたどり着いた三人の迷い人、彼らのどのような物語がそこで描かれるのだろうか。
感想です。
察しが良い方は本作が短編集だとお気づきになったかと。なんとなく辻村深月さんの『ツナグ』にも似た幻想的な世界における、魔女と迷い人の優しい物語でした。
魔女を含めた個性的なキャラクターの過去にも触れた次回作を望みたいです。