あらすじ
日本初の団体旅行(ツアー)は、汽車で行くお伊勢参りだった!
日本旅行 創業120周年!
〈旅のお世話〉に生涯を賭けた南新助の奮闘を描く感動の旅行屋さん小説!!
旅の思い出は、奪われることのない宝。
時は明治、鉄道開通に揺れる滋賀県草津の村長・南信太郎は駅の開業に尽くし、立売り弁当販売を始める。
その志を継いだ息子の新助は地元の人々、そして鉄道への恩返しの気持ちから伊勢神宮、善光寺への団体参拝を実現させる。
それは図らずも日本における団体旅行のはじまりであった。
やがて、旅の世話を商売にすることを思い立ち…
〈日本旅行〉創業者・南新助の奮闘と激動の生涯を描く、旅行屋さん一代記!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本旅行は日本初の旅行会社(JTBではない)。その創設から発展まで、明治の世から日露戦争、太平洋戦争を経て国内旅行だけでなく海外旅行の時代へ。時代の変革の波に乗れたのは、お客様に満足してもらいたいという気持。
善光寺詣、修学旅行など団体旅行のパイオニア。廃仏毀釈に苦しむ寺院の救世主とも言える。
一応社史に沿った内容とのことだが多くは筆者の創作。とはいえどこからフィクションか分からぬ自然な出来栄え。
悪役が登場せずほのぼのとした気分で読める小説。
装画・本文カットも良い。
Posted by ブクログ
戦前への揺り戻しが進んでいる今、戦争と平和について改めて考えさせられる。また、女性作家としての立場から日本史をフェミニズムの視点で読み直している点にも好感が持てる。
Posted by ブクログ
「日本旅行」の創始者、南新助の物語。てっきりノンフィクションかと思ったら、あとがきで大枠意外はほぼ創作だと知り、ほんのりショックだった‥それほど、新助と、新助の家族親族、新助が関わる人々の物語にどっぷり浸かり、爽やかな読後感に包まれていたのだ。
どこら辺が事実に基づいているのかは、あとがきを読めばだいたいわかる。新助が団体旅行を扱うようになったきっかけ、最初は、神社仏閣への参拝旅行がメインであった、当時の庶民にとって旅行は一世一代の体験なので、あれもこれもと詰め込んだ弾丸ツアーが多かった‥などなど。
逆に、歴史の教科書で見かけるような人物との接点は、だいたいがフィクションだろうけど、うまーく事実の大枠の中にはまり込んでいるので、違和感がない。川島芳子はびっくりしたけど(笑
どんな大企業も、最初から大企業だったわけではない。駅のお弁当屋さんから、旅行屋さんになった南新助は、営利の前にお客さんに満足してもらえる事を優先しつつ、そのためにあれもこれも、と頑張り、日本旅行は大きく成長した。真っ当に生きた人が、真っ当に評価される、とても気持ちの良い物語だった。
ちなみに私の一押しキャラは、茶良ちゃん。どんな人物なのかは、ぜひ読んで確かめてほしい。
Posted by ブクログ
日本初の旅行会社?をつくった南新助なる人物が主人公。今の日本旅行の前身だそうだ。てっきり、ノンフィクションかと思って呼んでいたのだが、そうではないらしい。記録を辿っても、詳しいことはわからないので、創作も交えて書き下ろした本ということだ。軽妙な文章で、すいすい読める。鉄道の発達とともに、旅行が身近なものになっていく様も面白い。人のために、人を喜ばすために、金儲けなど度外視に始めたことが、日本初、と言われることになる過程も面白い。時代の変化とともに、旅行の意味も変わり、利益を求め、効率化を求める社会の様子も面白く読んだ。
Posted by ブクログ
小説なんだけども
事実を上手に使って書いてあるので
とってもワクワクしました。
こういう「創業」話、大好き。
滋賀県草津駅の駅弁売りからはじめて
ご近所さんや、ご贔屓さんを連れて
お伊勢参りをすることになる。
その取りまとめが自然と団体旅行に。
評判が良かったため、次は善光寺だ〜となり
参詣旅行のはしりとなったそうです。
それまで善光寺がわりと寂れていたなんて
知らなかったわ。
登場人物もみんないいけど
特に旅芸人の娘・茶良とのエピソードは
なかなかドラマチック!
途中に昭和7年3月の本物の
「旅の栞」を写したページもあります。
なかなかのハードスケジュールだよ。
Posted by ブクログ
今ではみんなが知るツアーも
はじめがあり、こんなにいろいろな思いがある。
バリバリのノンフィクションのようなフィクションだと読み終えて知りました。 びっくり
けれど、全部がノンフィクションでもないということで、こういう
ストーリーも夢があって素敵だと思います。
私も知らない世界が見れる旅行は
いつでもわくわくして大好きですし、
この明治の激動の時代は
本当に新しいことや今まで考えもしなかったことをはじめて歴史に残る人々もたくさんいました。
なので、きっと遠からず近からず
こういう 南新助さんのような
人もいて語り継がれているように
感じました。