あらすじ
(瑠璃子さん、今日はね、ふうちゃんの結婚式なんだよ。まさか、この僕が「花嫁の父」になるなんて……)ふうちゃんの結婚式の日、お父さんのハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った5つの謎を。幼稚園児のふうちゃんが遭遇した卵焼き消失事件、小学生のふうちゃんが起こした意外な騒動……。心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった。児童文学の気鋭が、頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿を優しく綴ったほのぼのミステリ。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
冒頭で「僕が花嫁の父になるなんて…」っていう文章をなぜか深読みしてしまった私ですが、衝撃的な展開はありません。ミステリー要素でいえばそんなに評価はできません。文章も少し子供っぽいですが、その分読みやすくはあります。
ただただハルさんとふうちゃんのやりとりが微笑ましい作品です。ハルさんは私の視点では相当理想の父親かなと。
文章の簡単さやミステリーの弱さはありますが、今までを振り返るラストでうるっときました。
心温まる作品なので温まりたい方にオススメです!
Posted by ブクログ
05月-04。3.0点。
妻を亡くし、一人娘が結婚する人形師が主人公。
娘の幼い頃のエピソードを、温かいミステリ仕立てにした連作。
どれもほっこりする。読みやすい。
Posted by ブクログ
ふうちゃんの言動にいちいち空回りするハルさんはなかなかめんどくさい親ですがいい親でもあるのでしょう。/いまだ子離れしきれてないハルさんはふうちゃんの結婚式当日回想する、ビスクドール作家であり父親であることの両立に悩みつつ遭遇したいくつかの「事件」を。ハルさんの中に残っている亡くなった妻の瑠璃子さんや人形ギャラリーの浪漫堂とともに対したことを。
/幼稚園卵焼き消失事件。小学四年夏休みふうちゃん失踪事件。中学二年泣いたふうちゃん事件。高校三年ふうちゃんのバイトと落とし物指輪事件。取り替えっ子ビスクドールと大学一年のふうちゃん。
/ハルさん(春日部晴彦。ふうちゃん幼稚園児のとき二十九歳)。瑠璃子(ハルさんの亡くなった妻)。ふうちゃん(風里、ハルさんと瑠璃子さんの娘。中学校ではカスちゃん)。隆くん(卵焼きに逃げられふうちゃんを疑う)。人形ギャラリー浪漫堂(球に近い体型。ハルさんの一歳年上)。にゃんち(幼稚園の古株ぬいぐるみ)。あやちゃん(小学校での友だち)。美雪(ハルさんの一歳上の姉。北海道在住)。源田のおじいさん(猫嫌いだが子どもには優しい)。高岡先生(中学校での担任)。長谷紀雄(ふうちゃんの結婚相手)。テレビ(無口な居候)。三輪坂夫妻(ハルさんの人形のオーナー、ペンション経営)。
あなたは私を理解している。私がどんなときに、どんなふうに考えて、どんなことを言うか、想像がつくでしょう?(p.52)
ふうちゃんには、ふうちゃんの世界があるのだ。(p.71)
Posted by ブクログ
男手一つで育て上げた娘を嫁がせる。感無量だろうな…。自信なさそうだけれど一生懸命に子育てをしているお父さん(ハルさん)の深く大きな愛情が素敵でした。
Posted by ブクログ
ハルさんとふうちゃん、2人の成長が書かれています。
今の2人になるまでに起こったいくつかの事柄が順番に書かれていて、ふうちゃんの成長が見られたのが良かった。
様々な問題を、亡くなった瑠璃子さんと解決していくのが新しいなと思いました。
Posted by ブクログ
妻を早くに亡くし、一人で娘を育てる人形作者が娘の結婚式で小さいころからを回想するように話が進む。のだが、なぞ解きを含むミステリーのように構成されているところが面白い。
Posted by ブクログ
幼い娘が成長していく過程に思いっきり感情移入してしまう。本の面白さって普遍的なものではなくて、読む人のその時その時の状況や環境に大きく左右されるものなんだなあと痛感した。多分、10年前に読んでたら、「ミステリーとしては駄作。あまりのご都合主義に呆れた」とか書いていそう。でも、この本の良さはそこじゃないよなあ。でもやっぱりミステリー要素はなくてもよかったなあとは思う。