【感想・ネタバレ】変調二人羽織のレビュー

あらすじ

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。舞台となった密室にいたのはいずれも破鶴に恨みを抱く関係者ばかり。捜査で続々と発覚する新事実。そして、衝撃の真相は――。伝説的探偵小説雑誌・幻影城の第3回新人賞を受賞した初期の傑作「変調二人羽織」を含む、読者を唸らせる連城ミステリー傑作5編を収録した永久保存版。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者連城氏の処女作『変調二人羽織』を含む5編の短編集。

三津田信三氏が著作『忌館』の中で登場人物(雑誌編集者)に述べさせていた連城氏に対する評価があるが、「変調二人羽織」の書き出しにそれが凝縮されていると思う。

誤って薄墨でも滴り落ちたかのようにゆっくり夜へと滲み始めた空を、その鶴は、寒風に揺れる一片の雪にも似て、白く、柔らかく、然しあくまで潔癖なひと筋の直線をひきながら、やがて何処へともなく飛び去ったのだと言う

なんと美しく流麗に日本語を駆使する作家さんなのだろうか、そして本格の名に恥じないプロット、伏線の回収、読後感。短編に関していえば、淡坂妻夫氏と連城氏が個人的東西横綱である

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2012年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どんでん返しに先が読めない。
結末が分かった後、種類の違う感情がじわじわと忍び寄ってきて読み返したくなる。男女の愛憎が絡むと、尚のこと一筋縄ではいかない。『メビウスの輪』と『依子の日記』はその心情を読む物語としても楽しめた。
美しい言葉選びにハッとしたのは『立花の印』。明治の時代にぴったり合う文体で、思わず遡って繰り返し読みたくなるような情緒があった。

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2021年10月31日

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