あらすじ
2008年逝去した著者の半自伝的書籍が待望の文庫化。巡りあった人々を描きながら、自分のジャーナリストとしての軌跡をつづる。そのジャーナリストとしてのあり方、考え方は、日本が混迷している今こそ、一層心に響く。
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Posted by ブクログ
なんと幅広い人脈なのだろう。筑紫さんのお人柄がわかります。
どれもこれも印象深いエピソード盛りだくさんだが、特に頭に残っているのは、 豊平良顯氏の言葉。
「一方に圧倒的な権力を持つ統治者がいて、他方に基本的な権利を奪われている被統治者がいる。その双方の言い分を平等に並べて伝えることのどこが公正なのか。圧倒的に弱い立場に新聞が立つことが、この不均衡を少しでも改めることに役立てば、それが公正というものではないか。」
折りしもこれを読み終えた日の週刊金曜日は筑紫哲也さんの特集。
Posted by ブクログ
自伝を書いてくれと頼まれた筑紫が考えたのが,「自分と出会ってきた人とのかかわりを書くことで,自分の生きてきた一部分を示していく」というやり方だった。筑紫の言葉を借りると「他人様に読んでもらうほどのことはやっていない。それでも強いて何かを書くとすれば,自分が出会ってきた他人様のことしかないだろう―というものだった」。
他人様との貴重な出会いを導いてくれたのは,ジャーナリストとしての指名と言うよりも,文字通り,好奇心の旺盛さのなせるわざのような気がする。多士済々な面々との出会いは,その度に筑紫の懐を大きく大きくしてくれたようだ。
こんな本を読むと,「わたしの出会ってきた人は,どんな人だったのだろうか」と気になってくる。名前だけでも挙げてみると,少なからず,今の自分を導いてくれたことに気づくだろう。
既に個人となった筑紫の旅の中間報告です。