【感想・ネタバレ】風車と巨人のレビュー

あらすじ

彼女は、真実を撮っているつもりだった。

「不老因子」の発見で脚光を浴びるがん研究者・嘉山宗弘。
彼を追う人気ドキュメンタリー番組「十一時の肖像」の撮影を始めた三田紗矢子は、やがて嘉山の成果の根幹を揺るがす研究不正疑惑に辿り着く。
否定する大学と告発する医師で証言は食い違う。
それでもカメラを回し続けるなかで、疑いは次第に“真実”の輪郭を帯びていく。
疑いを抱いたまま切り取られた世界は、どこまで現実なのか。

記録と虚構の境界が静かに崩れていく――。

【著者略歴】
岩井圭也 いわい・けいや
1987年生まれ、大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞してデビュー。多彩なジャンルの作品を発表しており、近著に『サバイブ!』『真珠配列』『あしたの肖像』『拳の声が聞こえるか』がある。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

カメラは嘘をつかない、が、編集は物語る。研究不正を追うドキュメンタリー制作の内側で、疑いが「真実」の顔をして立ち上がっていく過程が恐ろしい。証言は食い違い、確証はないまま、映像だけが説得力を帯びる怖さ。記録とは何か、編集とは何か。否定する大学と告発する医師、どちらを信じるかではなく、「信じたい方を選んでしまう」人間の性を突きつけられる。記録と虚構の境界は、崩れるのではなく、最初からなかったのかもしれない。

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2026年08月17日

Posted by ブクログ

がん研究の教授の不正疑惑と、彼を追うドキュメンタリー番組制作者。
自分の信じることが正義なのか、
正義のためなら何をしてもいいのか、
不正を正当化してでも伝えたいこととは‥

2人の、何かに取り憑かれたかのような執念。
自分の正しさを疑わず、正当化し続ける姿に引き込まれました。

普段からネットニュースやテレビの番組などでの視聴者を煽るような書き方、印象を誘導するような番組や記事に違和感を感じることがありました。
その違和感の正体が少し見えた気がする‥
きっと、こういうことは実際にあるんだろうなと思わせるストーリーでした。

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2026年08月12日

Posted by ブクログ

「不老因子」の発見で脚光を浴びる若きがん研究者の嘉山宗弘。彼を追う人気ドキュメンタリー番組の撮影を始めた三田紗矢子は、やがて嘉山の成果の根幹を揺るがす研究不正疑惑に気づき…。

終始、嘉山教授に対してモヤモヤした感じで物語が進み、若手ディレクター三田の彼に対する疑惑に歯止めが効かなくなっていく姿はわかるような、わからないような…これまたモヤモヤした気持ちになったが、彼女が起こす行動は実際にありそうな展開で恐ろしくなった。

数年前に「とある細胞がある」と信じた女性研究者が話題になったことを思い出し、この『風車と巨人』というタイトルに納得。スペインの名作『ドン・キホーテ』からきてるとは、さすが岩井さん。

最後の三田の行動は鋼の心臓と言うべきか、狂っていると言うべきか。ちょっと薄気味悪くさえ感じた。

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2026年08月12日

Posted by ブクログ

がんの治療に役立つ「不老因子」を発見したという嘉山教授を題材にしたドキュメンタリーをを制作するため、撮影を始めた三田。しかしその途中で嘉山の研究不正疑惑を知る。母ががんに罹患したこともありがん研究の発展を願う三田は番組の制作に執念を燃やし、さらに調査を進めるのだが疑惑は増えるばかり。真実はどこにあるのか。
タイトルは「ドン・キホーテ」になぞらえたもの。信じることは真摯ともとれるし、愚かともとれます。たとえ真実と信じていたとしても、証拠がなければ事実にはならない。そんな中で嘉山の研究に疑いを持ちながら必死で撮影と取材を続ける三田の姿がとんでもなく危うく感じました。何事も知りたいという「しつこさ」を持つ彼女はこういう仕事に向いていそうなのだけれど、のめり込み方が本当に怖い……。
しかしこのラストは、彼女にしか選べない結末だったと思います。たしかに彼女には、この仕事以外ありえないのかもしれません。

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2026年08月06日

Posted by ブクログ

自分の主張を信じているからの行動なのか、別に何か狙いがあるのか。しかし、捏造はいただけない。結局は暴こうとした方まで同じことをしてしまうなんて。信用ゼロ、残念な結果だ。

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2026年08月01日

Posted by ブクログ

若手ディレクターの三田紗矢子は、「不老因子」の発見で脚光を浴びるがん研究者・嘉山宗弘教授を追うドキュメンタリー番組『十一時の肖像』の撮影を始める。
だが、嘉山教授の研究不正疑惑に辿り着き…。

捏造、疑惑、虚構のなかで、真実を見つけるのは至難の業であり、そのために何をしたのか…。
そして…。


が乳がんだったせいか、三田の嘉山に対する思い入れは熱く企画が通ってからは、全力投球で撮影に挑む姿は凄さを感じるのだが、不正を知ると一転する態度や自分だけが正しいと思い込み、他の人を蔑むような性格に嫌悪を感じた。

最後は潔さを感じたが、それでも自分をこういう形で見せるという態度は、やはり好きになれないタイプだった。



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2026年07月23日

Posted by ブクログ

「不老因子」の発見で脚光を浴びるがn研究者・嘉山宗弘のドキュメンタリーを撮ることになった映像制作会社のディレクター・三田紗矢子。
嘉山を追うにつれて、彼の研究不正疑惑が明らかになっていく。決定的証拠がない中、自らの真実に突き動かされた三田はある行動に出る…。


面白いんだけど、主人公である三田のなんとも傲慢で独善的な性格に辟易。
報道ではなくドキュメンタリー、番組ではなく作品、彼女の独りよがりのこだわりがそのまま嘉山の独善性とリンクしていくという作り。

「信じ続ける限り、風車は巨人のままでいてくれる。その人にとってはね」
真実と虚構をないまぜにし、“ドン・キホーテ”となったのは嘉山だけじゃなく、彼の不正を暴こうとする三田自身でもあるという皮肉。そして、嘉山の祖父・花木紀一郎もその一人だったのかもしれない。

真実と信じることの違い。真実のためなら事実を曲げてもいいという姿勢を最後まで貫く主人公には寄り添えない。
ドキュメンタリーの作り手がそんな考えなら、むしろドラマと謳ってほしいと思うのは私だけだろうか…。
この作品に対するテレビマンの感想を聞いてみたいものです。

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2026年08月12日

Posted by ブクログ

SL2026.8.9-2026.8.12
大学教授嘉山のドキュメンタリーを撮るディレクター三田。取材を進める中で教授の研究不正疑惑が浮かび上がる。
嘉山教授も三田もどうにも傲慢。
最後まで主人公に感情移入できない作品だった。
ディレクターという職業が身近にないせいもあるんだろうな。人の人生を映像に残すことにどれほどの意味があるのか。
嘉山教授の論文より、彼の講座から中退していった学生たちのことを考えてしまう。

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2026年08月12日

Posted by ブクログ

自分だけの真実があるからかそれ以外を軽んじている性質が好ましくない
それがドキュメンタリーと言うなら彼女の作品は見ない

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2026年08月01日

Posted by ブクログ

不老不死の新薬の秘密。話の先は読めるのだが、不思議とスラスラ読めて苦にならない。ただし、終わり方がなんだかなぁというもの。それが残念。

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2026年07月26日

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