【感想・ネタバレ】をんごくのレビュー

あらすじ

第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!
嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ――

大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻倭子の死を受け入れられずにいた。
未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。
巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。
倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。
エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、
倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。
壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。

家に、死んだはずの妻がいる。
この世に留めるのは、未練か、呪いか。


選考委員満場一致、大絶賛!
第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

切ないホラーが大好きです。この表紙だとエロっぽいのかと勘違いして手に取りにくいけれど、中身はどうしてどうして。

死んだ妻がまだ家の中にいるのはどういうわけなのか。自分が死んだことをわかっていない者を喰らう化け物(と呼ぶと傷つく化け物です)と主人公、そして巫女の3人がとても良い。終盤は何度か胸を衝かれて泣きそうに。

生まれてこのかた大阪から出たことのない私には大阪弁も惹きつけられる理由のひとつ。京極夏彦をお好きな人なら気に入ると思います。

「十っぱ」の「十」のルビが「じゅ」になっていたのだけが気になります。それを除けば私にとっては満点なのに。

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2026年07月14日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃおもしろかった!ホラー小説だけれども、リズムの良い文体のおかげか怖くて重苦しいだけでなく爽やかさや疾走感のある一作だった。愛する人との別れについても色々と考えさせられた。この世のものではないなにかの描写は読んでいてぞわぞわするが、登場人物が良い意味でいかにもキャラクター的で生々しくないので、ホラーが苦手な人でもエンタメとして楽しめると思う。

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2026年07月12日

Posted by ブクログ

最高に面白かった。
これがデビュー作だなんて。

読みやすいながらも本格的な時代言葉や方言に、多彩で繊細なホラー表現。それでいて親しみやすい登場人物たち。
それぞれに愛着が湧くのを止められない。

もう完全にこの作家さんのファンになってしまった。この方が書くものを片っ端から読みたい。

これはぜひメディア化してほしい。
絶対にアニメーションがいい。
絵で動くのを見てみたい。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

 大正時代、大阪・船場に住む妻を亡くした画家、そんな彼の家に現れた異形と化した妻、顔のない存在・エリマキとの出会い、生家に隠された忌まわしい儀式など恐ろしい怪異の数々、二人のバディ要素に主人公の妻への想いが幻想的な雰囲気と相まって味わい深いホラーだった。

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2026年06月24日

Posted by ブクログ

北条裕子著『をんごく』は、大正末期の関東大震災直後という混沌とした時代を舞台に、妻の死にとらわれた一人の男と、彼を取り巻く人々の歪で切実な心理を描いた物語だ。読み終えた今も、胸の奥に重たく湿った感情が残り続けている。

 主人公の壮一郎は、震災の混乱の中で愛する妻・倭子を亡くした。しかし、彼の心から倭子が消え去ることはない。それどころか、死んだはずの倭子の影や気配、そして言葉が、怪異となって彼の日常を侵食していく。壮一郎が見せる執着は、一見すると狂気にも似ている。しかし私は、彼を単なる異常な人間とは思えなかった。身を切られるような悲しみや、自分が生き残ってしまったことへの罪悪感に苛まれたとき、死者の幻影にしがみついてしまうのは、人間として痛いほどリアルな反応ではないだろうか。
壮一郎にとって怪異とは、妻の死という受け入れがたい現実から自分を守るための、最後のリミッターだったのかもしれない。

 一方、物語の中で大きな存在感を放つ妻の倭子。彼女は単なる「可哀想な犠牲者」や「恐ろしい亡霊」としては描かれないが、壮一郎の記憶の中の倭子ではない。彼をあちら側へと誘うかのような倭子の気配は、生前にふたりの間で交わされた約束ある。生者と死者という絶対に越えられない境界線を挟みながらも、二人はどこかで深く引き合い、互いを縛り合っている。その姿は痛々しくもあるが、同時にこれ以上なく純粋な愛の形にも見えた。

また登場人物?のエリマキと壮一郎のコンビが人間の私利私欲のために成仏できない亡霊の原因を突き止めていく姿がとてもいい。画廊の奥にタイトルの無い絵が飾られている。私がエリマキを感じたのはこれが最後だった。

 本作を通じて私が最も深く考えさせられたのは、「愛する人の死とどう折り合いをつけるか」という難題だ。私たちはよく「時間が解決してくれる」とか「受け入れて前を向くべきだ」と言いがちだ。しかし、壮一郎の姿が教えてくれるのは、そんな綺麗な言葉では片付けられない人間の生々しい葛藤だ。死者への執着を簡単に手放すことなどできない。むしろ、その執着や痛みを抱えたまま、地這うようにして生きていくことこそが、残された者に課された「折り合いのつけ方」なのではないだろうか。

そろそろお盆ですね。

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2026年07月23日

Posted by ブクログ

文庫になるのを待ってました
ずっと読んでみたかった作品です

読みやすくわかりやすい上品なホラー作品でした
謎は謎のまま終焉を迎えるところが良いです
エリマキという謎の存在、大阪に残る謎の風習、そして巫女という謎多き女性...
主人公もわりと魅力的で好感が持てました
終盤の流れも綺麗にまとまっていました
ゾクッとする場面もありますが怖さはそこまでありません
霊現象を扱っていますが本質はヒトコワに近いです

これがデビュー作のようなので今後に期待できます
既にいくつか作品を発表されているので文庫になるのを待っています

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2026年07月21日

Posted by ブクログ

エリマキとは何だったのか。清い神や仏の類なのか、それとも悪しき地獄の使者なのか・・・。そんな摩訶不思議な存在すらをも慄かせる業を抱えて生きている人間のなんと恐ろしいことか。

その業に巻き込まれた人々が古瀬家にはたくさんいた。その一人になってしまった倭子は本当に可哀想だ。

死後、夫に在りし日の姿を絵に描いてもらっても、父にその絵を罪滅ぼしに買い取ってもらってもそれが彼女の慰めになるのか私にはわからない。それが生きている人間ができる精いっぱいの愛情表現だとはわかっていても読んでいて虚しさばかりが残った。倭子は誰も抵抗することができなかった呪いの一部になることを全力で拒んだ芯の強い女性であっただけに、義実家の悪意に利用されてさぞ悔しかっただろう。

強すぎる愛は業なのだろうか?夫婦間の愛、商売への愛、まわりが見えなくなる愛はもはや呪いに変わってしまうのかもしれない。

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2026年07月20日

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鬼滅の刃のような、大正の都市部でのお話。シリーズ化しそうだけど、こちらデビューさくなのですね。結局エリマキの本当の顔はなんだったんだろう。そこまでよみとけなかった。実写化よりもアニメが合うと思う。

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2026年07月12日

Posted by ブクログ

方言に慣れるまで時間かかったけど、慣れてしまえばその雰囲気にドップリ。
最後は心が浄化されるような素敵な終わり方

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2026年07月06日

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最初は何の変哲もないホラーだったけど、途中から人間と人外のバディものが始まって面白かった。
エリマキが良いキャラクターしてる。
ホラーには珍しく、後味の良い終わり。

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怖さでいうとそんなに怖くはなかった。
「大正時代、妻を亡くした男が…」というあらすじから、じっとりとした和風ホラーを求めて読んだから期待した怖さとは違った。
エリマキとの緊張感ある出会いまではホラーとしてもとても良かった。
ブロマンスとして読むのが一番面白いかも。エリマキとの関係、変化、物語後の再会は最期までないのか、等々想像するのも楽しい。
巫女、エリマキと好感の持てる主要人物で物語が進むので良い読書時間だった。

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2026年07月23日

Posted by ブクログ

怖さじゃなく切なさを描いている、シックスセンスみたいな愛する人との別離を受け入れる過程としてのホラー。怖さを求めてたから拍子抜け。
舞台背景はかなり詳細に描かれていて良い。怪異の原因がわかってからは割とすんなり解決。もう一捻りあんのかと思った。
エリマキはぬ〜べ〜みたいだなと思った。話自体もぬ〜べ〜の切ない回みたいな感じだった。単純と言えば単純。

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2026年07月10日

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⁡じわじわくる怖さと妖しい雰囲気。家の⁡因習にがんじがらめの呪い。思い浮かべる情景が恐ろしい。倭子が怖すぎ。壮一郎とエリマキのコンビはまた読みたい。⁡

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2026年06月30日

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もっと愛憎溢れる怨霊の話で救いのない話かと思ったが違った。結構ホラー要素少なめでどちらかと言うとミステリ。結構さっぱりとしていて後味は良かった。

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2026年06月26日

Posted by ブクログ

死んだはずの妻、に似たものが家に居る。大正時代の大阪船場を舞台に、未練と業の物語が展開する。時代の空気感や降霊の描写など、静謐な恐怖が宿る正統派ホラーとして始まるも、霊を食って生きる怪異エリマキなる存在が現れてからは謎解きバディものへと変化。怖さは徐々に退き、愛と執着を巡るアクションホラーとして着地する。味わいのある良作。

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2026年06月22日

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