【感想・ネタバレ】いい子のあくびのレビュー

あらすじ

公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ? 「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。社会に適応しつつも、常に違和感を抱えている人たちへ贈る全3話。芥川賞受賞第一作。第74回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

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Posted by ブクログ

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最高だった。「おいしいごはん〜」からの高瀬隼子さん二作目。だいすき。

この人わたしなんか?!と思うくらい全部がしみる。誰に言うでもないけど毎日わいてくるちいさな鬱憤を全部文字で晴らしてくれる。なにこれ。すごい…

◎いい子のあくび
とにかく自分すぎる。わたしもぶつかるまではいかずとも避けないようにしたことがある…← だってあまりにも割に合わないもの。
自分の中に心が二つある、というのが本当に共感できた。

日記に書く短いひとことがツボ。
「桐谷 飲み会、コンパニオン要請、今年4回目」

突然の下ネタ罵りにはわらった。
ヨシオカくんがどんな大人になるかきになる。
駅でのシーンはリアルで身につまされる。でも、こんなん誰もわかってくれないよな。この本があることがこの世界のせめてもの救いだと思う…

◎お供え
お供えっていう儀式がテーマになってるのが新しかった。それとなく深入れせず付き合っていた後輩にそんなふうに思われてたらダメージくらうな…
以前の職場でお昼ごはんを先輩方とご一緒してた時代の空気感を思い出した。

◎末永い幸せ
うわーーーこれぞ真骨頂!!みたいな話。わかっちゃいけないのかもやけど、わかるわー(ほんまや!!?わかってしまうわ(気づかんかった!!))の嵐。
「偽チャペル」連呼しててそんな呼び方初めて聞いたのでおもろかった。
実は近くのホテルに泊まってたんだよ、というのはきっと一生しまいこむんだろうなと思った。

とにかく、、高瀬隼子さんの作品好きすぎて読み終わりたくなくて、1ヶ月かけて読んだ。笑

大好きすぎる。
ほかの作品もまた読みたい。

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2026年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった。私もずっといい子ぶったまま大人になっていい子でいるのに割に合わないなって思ってきたので結構共感するところがあった。わざとぶつかったりさすがに同僚の死を願ったりはしないけど。最近街で混んでるエスカレーターに乗るときのんびりと傘を閉じるために止まった若い女性の足をふんでしまって、謝ったのにエスカレーターに乗ってる間ずっと睨まれたときのことを思い出した。みんな被害者でいたい歪みにそのときの女性と直子を重ねて読んだ。
末永い幸せも好きでした。結婚式の気持ち悪さはよくわかるし全然会わない友達のために海外旅行並のお金をかけて祝いに行くのは本当に割に合わない。最近私も一個の結婚式を断った。と共感してるうちに自分のことが心配になってきた。

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2026年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『いい子のあくび』は、「いい子」であり続けることの息苦しさと、その内面に蓄積される怒りを描いた作品である。
 主人公は、他者の視線を意識しながら、感じのよい人物であろうとして振る舞っている。しかし、その一方で、「なぜ自分ばかりが我慢しなければならないのか」という不満を抱き、周囲の出来事を損得の観点から捉えてしまう。本作が描いているのは、周囲から期待される「いい子」を演じ続けるうちに、自らの怒りや本音を否定し、それらの感情の行き場を失っていく過程である。
 私自身も、人当たりのよさを評価されることが多く、不快に感じたことを口にせず、相手の話に共感するよう努めている。それは必ずしも偽りではないが、自らの言動を逐一評価し、相手に嫌われたのではないか、あるいは軽視されているのではないかと考えてしまう。主人公の姿には、そうした自分自身と重なる部分があり、自らの思考を客観的に突き付けられているようで、胸の奥に鋭い痛みを覚えた。
 特に印象に残ったのは、他者から好かれたいという欲求と、周囲に対する怒りとが同時に存在している点である。表面上は優しく振る舞いながら、内心では他者の無神経さや不公平さに憤りを感じている。その怒りを抱く自分を恥じ、本音を抑圧するほど、主人公の苦悩は深まっていくように感じられた。
 ただし、主人公が極端な行動に至る前に、ほかの選択肢もあり得たのではないかと思う。善良な人が不利益を被る社会は悲しい。しかし、他者から好かれることだけを判断基準とせず、自らの怒りという感情まで否定しない姿勢も必要である。
 「いい子」でいること自体をやめるのではなく、過度な無理をしてまでその役割を演じ続けないためには、どうすればよいのか。本作に強く共感したからこそ、その問いは自分自身に向けられたものとして、読後も残り続けた。

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2026年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日々のちょっとした理不尽。だけどひどく消耗している。
そんな心のひだの嫌な匂いのする膿を、引きずり出してくるような物語ながらも、軽い語りが面白い。独特な読み心地のある作家さん。
芥川賞受賞作同様に、いやーな世界観ながらも引き込まれた。

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言語化できない、言語化するのが躊躇われることを、こんな面白い話に昇華できるのが凄いなと思った。

大人になってから何度、何度も「どうして私が避けないといけないんだ」「そっちが避けないならこっちも避けずにぶつかってやる」と思ったことか。そしてぶつかるなら肘突き出して痛い思いさせたいとまで考えたりした。横断歩道で、真ん中を普通に走っている自転車もムカつくので避けたくないし、横から蹴り飛ばしてやりたい。実際にはそんなことする勇気出ないけど。しかも避けない人間に限って、チラって私の事確認して避けない選択肢をする中年男性が多いことか。女性を舐めている世代。
そういった不満が言語化されて、確かに私こんなこと考えてたなーなんて思い返した。

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2026年07月24日

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