あらすじ
海産物の密漁は、暴力団の重要なシノギのひとつになっている。中でも、北海道で穫れる檜山産の干し海鼠は重宝がられ、法外な高値で取引されていた。アルコール漬けだった実母の急死で故郷の白老を飛び出し、函館まで流れ着いた青年・神野大樹は、岡村興業の若頭補佐・宮嶋が仕切る海鼠の密漁で稼いでいる。大樹とふたりきりで暮らすボーダーコリーの老犬・ジリは、その見張り役を務めていた。ジリが体調を崩したことをきっかけに、犬好きのホステス・霧子と距離を縮める大樹。しかし彼女は、宮嶋の情婦でもあった……。
感情タグBEST3
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馳星周さんとの出会いは少年と犬でした。
海霧。男、女、老犬、そして愛と死。
帯を見た時にやんわりとぼんやりと話の展開を想像して購入しましたが、物凄い速度で北海道を舞台にした物語に引き込まれました。
ヤクザがらみの割にその辺りの攻めは少し甘かったものの(そこではない)状況、心情、情景はとてもリアルに伝わってきました。動物病院の木幡の所でジリの具合を診てもらい、そこを離れるまでの場面では心拍数が上がって休み休み読んでいました。
ジリの存在は大樹にとって人間が変わるほどの存在であり、霧子もまた生きている間に愛すると言うことを知る。
今回の物語では犬でしたが、動物は人間に愛することを教えてくれる大切な存在なのだと改めて感じました。
ラストは涙を堪えられず心拍数を無視して読み切りました。
「人は死ぬ。必ず死ぬ。時に呆気なく死ぬ。」
誰でも必ず死ぬ、でも決して呆気なくではなかった。
大樹のジリと霧子への愛が心に染み入ってきた素晴らしい作品でした。
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二人と一匹の逃避行。大樹とジリの深い絆から、ジリの存在感が際立つ。爽やかなラストは期待してなかったけれど、切ないね。幸せになる未来が想像出来なくて、幸せな描写がある度、その先を考えちゃって辛かった。ラストの続きは描かれていないけれど、残された方も順風満帆にはいかないでしょう。作田さんの木彫りのエゾオオカミは完成するのかな。霧子のその後も気になる。後日談ぜひ読みたい!
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ひょんなことからやくざに追われる羽目になった大樹と霧子、そして老犬海霧(ジリ)。一匹と二人のハッピーエンドを願って読み進めたが…。幸薄い人生を生きあきらめの境地でいた彼は心を温めてくれた霧子と老犬ジリも看取られ幸せだったのだろう。
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上手い。題材やストーリの好悪はあっても、巧みな表現力を駆使した美しく情景が思い浮かぶ文章を読んでいるだけで、精神が癒される。馳作品も本当にハズレがなく、好みが分かれる題材はあっても新作が出れば読んでみたくなる作家の1人。
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北海道を舞台にしたロードノベル
主人公 大樹と愛犬ジリの絆が強くて泣ける!
「人は死ぬ。必ず死ぬ。時に呆気なく死ぬ。」このフレーズが何度も出てくる
途中から登場する、胡散臭いオヤジ作田が大樹にかける言葉「時間じゃねぇんだ。どんだけ時間かけたってダチにはなれねえやつらがいる。会った瞬間から気が合うやつもいる。そういうこったろ?」 いい奴だな、作田!
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馳星周作の犬が関わる小説は良い。
ヤクザの女だった霧子と愛犬ジリと共にヤクザから追われる大樹。
老犬の衰えと、広域に大樹たちを追うヤクザからの逃避行は、緊張を余儀なくされ、安楽な状況も直ぐに緊張ある逃避に駆り立てられてしまう。
読む手が止めらないれない小説だった。
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大大大好きな馳星周の新作。
ここしばらくは、競馬作品が続きうんざりしていたところ、待望の犯罪小説。
老犬、北海道、愛する女、ヤクザに追われる旅、友・・・・・
大雑把に言うと、読みながら結末が想像されてしまう・・・・のだが・・・・・、
そこは、お構いなく・・・・、涙、ナミダ、なみだ・・・・
充分に楽しませて頂きました。満足デス。
Posted by ブクログ
途中で止まれなくて一気に読み終わった。なんか、映画やドラマになってる映像が頭に浮かぶ小説だった。
人は死ぬ。絶対に死ぬ。時に呆気なく死ぬ。
確かに生きてるものはそうだ。当たり前のそのことが、普段はどうしても忘れてしまう。人間は幸せな時も、不幸な時も、それがずっと続くような錯覚をする生き物な気がする。
動物は今目の前のこの瞬間瞬間を生きてる。それを真似できる自信はないけど、大切なのは過ぎた過去でも、この先のいつかでもなく、今この時なんだ。と時々自分に思い出させながら今を、今の自分の気持ちや今、周りにいる優しい存在を大切にしようと思った。
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犬は死にません、そこは本当によかった。
終始、霧子にイライラした。この世のなによりも金が大好きな美人の売女、それ以上でもそれ以下でもない、勝ち気なトラブルメーカー。まぁトラブルがないと物語は始まらないから仕方ないし、霧子がいたからこの小説はとても楽しめた。ホントにムカついた、それくらい物語に入り込めたし臨場感があり、心が揺さぶられた。主人公の大樹はすごく美化されてるけど、結局半グレみたいな奴でカッコつけたダサいハンパもんじゃないかと冷めた目線で見ちゃう。ただ大樹もこんな逃亡生活がずっと続くとは思っていないって考えているようだった、意外と現実を見てる。犬が害されるととにかく主人公がブチギレるのよかった!
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「人は死ぬ。必ず死ぬ。時に呆気なく死ぬ。」繰り返される大樹の独白が胸に沈む。母の急死以来、理不尽な運命に流され、密漁の世界で息をひそめて生きる青年。諦観に凝り固まったその心を、霧子との出会いと老犬ジリの温もりが少しずつ解かしていく。海霧のように垂れ込める絶望の中でも、人はなお誰かを信じ、寄り添おうとする。静かな愛と救済の物語だった。
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やくざの手先のような仕事をしてる大樹、老犬のジリと暮らす。やくざの愛人美沙(霧子)と関係を持ってから逃避行。
ありがちなストーリーなんだけど、嫌いじゃない。犬好き+巻き込まれ+転落
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前半いい感じだったか、犬を連れての逃避行になってからはややスケールに欠けた感あり。ラストは無理にあの展開に持っていかなくても生き続けられる方法あったのでは?
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母の急死をきっかけに白老を飛び出し、函館で宮嶋が仕切る密漁で稼いでいる神野大樹。
一緒に暮らすボーダーコリーの老犬・ジリは、密漁の見張り役を務めている。
ジリが体調を崩し、中国の禁輸政策で密漁も出来なくなり、振り込め詐欺の手伝いを…と言われていたが、大樹はジリのそばで介抱したいと。
宮嶋の情婦である犬好きの霧子が、大樹とジリに頻繁に会いに来るようになり…。
北海道中を大樹とジリと霧子は逃げる。
ジリの身体の状態もよくないなかで、ただひたすら一緒にいる時間を少しでも長く…と思いながら生活するのはどんな思いなんだろうかと。
大樹とジリとだけなら穏やかに過ごせていたのかもしれないが、霧子と出会うことで運命は激変する。
それでも霧子を無下にすることなく助けるのは愛なのか…と。
死を覚悟しながら生きているのは切なく苦しい。
そして、悲しい。
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ジリはボーダーコリーの牡。推定12歳。北海道の海霧(ジリと読むらしい)にちなんで名付けられた。飼い主を失ったジリを主人公が飼うことに。ここからは馳星周。女とともに大金を持ち逃げして北海道を逃げる。徐々に追い詰められ死後は..という展開。馳星周以外の何物でもないストーリー。自分も12歳のボーダーコリー(ただし雌)を飼っているのでワンコには感情移入するのだけど、残念ながらジリのことはそれほど描かれず、むしろ高齢で寝ている事が多いのだが。もっとワンコのことを描いて欲しかったな。
Posted by ブクログ
この作者らしいノワール小説であり、
犬を愛する物語でもありました。
ヤクザに追われるロードムービーの舞台は北海道。
それだけでも魅力的です。
久しぶりにハードボイルドの作品を読んで
ジリと大樹の絆も感じられました。
(ネタバレになるのであまり書けませんが)
ハードボイルドと犬…
沢木冬吾さんの『約束の森』を思い出しました。
こういうの、やっぱり好きです。
Posted by ブクログ
「人は死ぬ。必ず死ぬ。時に呆気なく死ぬ。」繰り返し出てくる主人公の言葉から人はどう生きてどう死ねば満足なのか?幸福なのか?ということを考えさせられた。
ノワール作品らしいスピード感とバイオレンスとエロス描写(やや引いたが)が交錯する中、ヤクザの情婦である霧子の奔放さには少し距離感を覚えたものの、物語としてはスピード感や予想を裏切らない展開一癖も二癖もある登場人物との絡みで最後まで飽きさせない。そして、北海道の静けさと海霧に包まれながら互いを思いやる彼らの姿は、紛れもなく「幸福な瞬間」そのものだった。
「今だけを精一杯生ききって気がついたら死んでいた」という著者のインタビューの言葉が、物語全体に深く染み渡っている。生きた時間の長さではなく、愛する存在と巡り合い、その愛を生ききること。
迫り来る破滅の予感に「この時間がどうか終わらないでほしい」と祈らずにはいられなかった。
Posted by ブクログ
北海道の観光地を巡り、名物も紹介しているロードノベル。犬好きにはたまらないだろうワンコノベルでもある。
馳さんらしいハードボイルドで、このまま幸せに暮らせるのか、逃げ切れるのかと思いきや、心配したとおり事態は暗転していってしまった。霧子をカフェでバイトさせたのが悪かった。