【感想・ネタバレ】透明な夜の香り 赤い月の香りのレビュー

あらすじ

「君からはいつも強い怒りの匂いがした」――カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていた。朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり・・・・・・。香りを文学へと昇華させた、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続くドラマチックな長編小説にして、直木賞受賞第一作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

天才調香師 小川朔、香りシリーズの2作目
今回は赤い月に囚われた男の子が洋館で働くことになり、様々な悩みや欲望を持った客が朔の元に現れる。今作では加害された人、加害した人、加害していた人達の記憶を象徴する香りが多い。ただ、嗅覚と記憶は密接に関係しているからと言って、同じ香りでも同じ記憶を共有できる訳ではない。そして加害を愛として執着する人間もいるようだ。

1作目後半で一香は朔の仕事部屋に並ぶ香料瓶になりたいと願望を意識する。ガラス瓶に閉じ込められて朔の目に晒されたいという欲望を。
2作目で朔さんは一香を想って香料瓶に洋館の庭の香りを詰め、一香の書いたラベルを貼り付け並べて、きっと眺めている。部分的に一香の願いは叶えられていることに気づいた時、彼女はどう動くんだろうか。

今作も五感を刺激するお話だった。

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2026年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいると、図らずとも独特の世界観に引き込まれてしまうような本だった。
前作では登場しなかった人物が出てきたことで、静かな雰囲気の中に新しいアクセントが加わっていて良かった。
前作では語られることのなかった登場人物の過去や、人間関係などが新しく描かれていて、よりそれぞれの人物の深淵に触れることができた。
一香と朔の関係がどう変化していくのかも気になるので、続編も読みたいと思った。

0
2026年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

楽しめた。
「透明な夜の香り」を読んでなくても楽しめる。
でも読んでた方が、あの場所の雰囲気と登場人物を
もっと上手く捉え楽しむことができると思う。
この作品では朔の過去をほんの少し知る事ができる。
あの才能と普段の佇まいから、朔も完璧ではない
普通の人間だという事を忘れてしまいそうになるけ
ど、その普通っぽい面が垣間見られる今作。
朔と一香から同じ香りがするというのが、少しくす
ぐったく感じた。毎日通うわけでもないのに、未だ
にそうしているところに朔の気持ちが見えるような…
朔が準備している瓶を一香が必要とする日がこない
といいな。いつまでも二人一緒にいて欲しい。

満は、香りで誤魔化さず、他人とも自分自身とも向き
合う覚悟ができて良かった。
目を背け続けていたら、大切なことに気づかないまま
怒りを抱えて生きていったんだろうね。
朔が興味を持ってくれて、見つけてくれて良かった。
一方朔の方は、満に会って確かめたかったということ
は、まだ”正い執着”を抱けてないということだね。

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2026年08月16日

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