あらすじ
何を食べて、何を飲む?
人生に寄り添う
愛おしい味がある
俳句結社「水軍」の同人である瑤子は、行くべきかためらっていた。
同じ結社で人たらしの拓郎から誘われた、自宅での食事会。
直前に取った1本の電話が、その意味を変えてしまったから……
(「鱚のフライと白ビール」)
それぞれの人生、それぞれの背景を持った、多様な登場人物たち。
当人たちが抱える“心のもや”が、
「ペアリング」を通して、少しだけポジティブへと変わっていく。
料理と飲み物、そして味わう2人。
2つの「ペアリング」をモチーフにした24編。
極上の掌編小説集を、ご賞味ください。
感情タグBEST3
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凄く好きな作品だった。「水軍」と言う句会に属している60代の拓郎と遥子が主な主人公だが、連作短編の様に関係ある人たちが順ぐりに出てくる。其々の人生や生き方と共に出てくる料理とお酒が主人公を盛り上げる。そして料理の描写の美味しそうな事。読んでいるだけで幸せで、登場人物のその後の人生も想像出来る。私の地元の賀茂泉も良い働きをしてくれていたし、酒飲みの私には料理と酒のマッチングも最高だった。井上荒野さんブラボー。
Posted by ブクログ
一つ一つのエピソードは短いけれど、とても気が利いている。
人物の心の機微、そして食べ物の描写も際立って美味しそう。さすがとしか言いようがない。
誰かと食べる。同じものを食べながらも、考えていることは違うかもしれない。
顔を見合わせて「おいしい」「おいしい」と言い合えたら、1+1は3にも4にもなるだろう。
しかし、一人きりで好きな食べ物と向かい合うのもいい。食と私、オンリーワンとオンリーワン。
※昔の食の思い出で、つまらない定年後が変わるシニア夫婦
※食べ物に対する姿勢の違いでうまく行かない男女
※元は他人である配偶者との食
※父や母との思い出
※連れ合いやペットをうしなった空虚から、再び食べられるようになるまで・・・
俳句結社「水軍」の人たちの関係者が多く描かれる。
新しくリーダー的存在になった・広渡哲郎(ひろわたり てつろう)は、人たらしである。
元気のない人をそれとなく見抜いてみんなの輪の中に迎える、ということが自然にできる人。
来るものは拒まず去るもの追わずといった、飄々とした雰囲気もあったけれど、最後には一人の女性にとことん真心をぶつけた、というのが良かった。
最後は大団円、「水軍」の人たちと、哲郎の娘が所属する劇団「楡(にれ)」の人たちと・・・関係者でなくても何かのつながりがる人たちもみんな一緒に。
えーっと、この人はどの話に出て来た人だっけ?と、ページをめくり返すのも楽し。
イラストもとにかく美味しそうで、見ても読んでも幸せな一冊である。
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美味しい料理とお酒は人の心を動かし何かを気づかせてくれる。
誰かと一緒に食べる料理が(もちろんお酒も)幸せを生んで心も満たしてくれると私が知ることができたのは結婚したからだった。結婚して、子供の頃は知らなかったことをたくさん知ることができた。
初めて読んだ井上荒野氏の小説は句会のメンバーを中心にした様々な状況の人物たちの人間模様を瑞々しく粒立ちのくっきりした言葉たちでこまやかに描写している作品なのだけど、物語というのはいつもミステリアス。最初に登場した人物があやしげで(同い年なのがムカつくし(笑。)思わず登場人物をいちいち書き出した。余韻のある描写はあとでちゃんとつながって出てくる。猫も登場する(もう虹の橋を渡っていた設定だけど)。イラストも美味しそうだし表紙の色がとても素敵。描かれたメニューで一番そそられたはフレッシュポルチーニのフライとピエモンテのバルベラ、このお店に行ってお店で食べたい。笹塚の小体な料理屋とバー「耳」が近所にあったら行ってみたい、きっと楽しめると思う。1+1は料理とお酒の1+1と一人の人間と一人の人間の関係の1+1、答えに正解はない。答えがいくつになるかは誰にもわからない。奥深いタイトル。若いころはやりきれない終わり方をする物語を好んでいたけど、歳を取ったせいかひとすじの光明がみえる前向きな終わり方をしてくれたほうが読後感が満ち足りた気がする。本作も短編ひとつひとつもそしてオーラスも希望が残る終わり方になっていて心地よい。
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食と酒と人との繋がりの短編連作。
食が合わない人とは一緒に暮らすのは難しい、そして食の趣味が一致したら一緒にいることが心地良い。そんな話。
登場するのは食に対して丁寧な人たち。
食べることで繋がって、食べることで生き返って明日を見つめる。
皆、料理をすることにも貪欲で、読み始めは良かったけど読み終わる頃には少々食傷ぎみに。
食べることに貪欲でいられる人って多分精神的に強い。そして裕福。
そんな強い人たちの生きてゆく姿はあまりにも圧倒的で弱い自分とはあまりにも違うなと思った。
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おいしい小説。
出てくるもの、どれも美味しそうで、
ストーリーは、すいすいと美味しいお酒のように
読める。
よく食べることは、よく生きること。
食の好みは、人と人との相性にも通じる。
心に残ったのは、
「家作りは、センスっていうより知性よね」
という言葉。
暮らしの全てを知性と愛情で豊かにし
楽しむこと、その嬉しさが全編に流れていたような
気がする。
Posted by ブクログ
世代ギャップを感じながら読み進めるうち、登場人物たちが皆、繋がりを結んでいくことに魅力を感じていった。
家族、同僚、恋人、趣味仲間…あの人がこの人と、この人はあの時の人…。その中心に立つのが広渡拓郎だ。
どこか気障っぽく世渡り上手に見えていた彼が、嫌味のない人当たりの良さで徐々に私を取り込んでいった。
ギスギスした関係性に潤滑油を差す然りげ無さと、胃袋を掴むことに長けた好感度高い紳士なのでした。
数ページに渡る巻頭のイラスト集は、編集部の想いありきだろう。掌編フルコースが美味である事を、なにより表紙が物語っている。
Posted by ブクログ
美味しい食事は人の気持ちを少しだけ前向きにしてくれる。
料理と飲み物のペアリングって予想以上に自由だな。
定番の組み合わせも意外な組み合わせにも、食欲がそそられて真似したくなる。
《鱚のフライと白ビール》は試すまでもなく美味しいよねえ。
《出汁巻き玉子と、おりがらみの酒》も《マッコリと蛤のチヂミ》も気になるけど、まずは《メロンパンとコンソメスープ》からやってみようかな。
Posted by ブクログ
食をテーマにした短編連作集。
ペアリングをモチーフにしたとあるように、おしゃれなお酒と料理が出てくる。
雑誌で連載されていたというから、毎号読んだら探して購入、または作ってみようと思ったかも。
人たらしの拓郎から食を繋いで拡がる様々な縁。
歳を重ねていくのも悪くないかなと思える楽しさも秘めている。
Posted by ブクログ
俳句結社「水軍」まわりの人々の群像劇。各話のタイトルが食べ物と飲み物のペアリングになってて眺めてて楽しい。結社のメンバーからその関係者が次々登場するので最後の方には人間関係がこんがらがってくるけど、そこは流して楽しく読みました。結社の中心人物で人たらしの広渡氏という人物が印象的。彼らの恋模様にもほのぼのしました。
ダイジェスティブビスケットと癖のあるお茶とのペアリングは試してみたい。
Posted by ブクログ
全部が本当に美味しそうすぎるし、出てくる登場人物いやなヤツもいるにはいるんだけど厭味がないというか、憎めないというか。読んでてすごく楽しかったしお腹空いたし、呑みたくなる。食に興味がない人はやはり嫌だな
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たまりません。
装幀に加え、頁を開けば色鮮やかな料理のイラストがドーンと目に飛び込んでくる。
24編から成る本作は料理と飲み物のペアリングが楽しめる飯テロ本。
お酒を全く飲まない私だが、ちょっと飲んでみたいと思わせる魅力がある。
俳句結社「水軍」に関わる人々の日常が連作形式で描かれ、どの話も身近で気づけば物語に没入していた。
それにしても結社の中心人物、61歳の拓郎さんのモテっぷりときたら。
料理上手で気配り上手、チャーミングな性格。
私も句会のメンバーになりたいと思ってしまう。
味わい深く読後にほのかな余韻が残る一冊。
Posted by ブクログ
食、酒、人間関係。組み合わせ次第では色々な変化がある。短編で絵の料理も大変美味しそうでした。この小説にある食事とお酒の組み合わせを今度やってみたいです。
Posted by ブクログ
人間関係に何かしらしこりを抱える登場人物達が、食事や句会を通して何かしらの決意をして一歩踏み出す短編もの。各章では決意するところまでが語られ、後々の章で助演や背景として登場し後日譚が汲み取れる構成になっている。
食事一つでここまでも決意が固まるものか?という違和感はありつつも、料理を作る、選ぶ、食べるという行為に詰まっているいろんな想いを感じられて、心温かくリラックスした気持ちになれた。
また、後日譚として登場する人物たちは助演や背景として登場するので、顔は知っているが深くは知らないという緩やかな繋がりも作品の雰囲気とマッチしていて良かった。
Posted by ブクログ
俳句結社「水軍」にかかわる、多様な人物たち。
それぞれが抱える”心のもや”が、「食のペアリング」を
通して、少しだけポジティブへと変わり…。食を
通して紡がれる掌編小説集。
Posted by ブクログ
俳句同人誌でつながった人たちの連作短編。どの話も食べ物に合う飲み物とその人たちにまつわる心くすぐるお話も チクチク刺さるお話もあり。やっぱり美味しいものって人を幸せにしますね。