あらすじ
天下が静けさを取り戻して間もなくのこと。駿府の古城址で、親友でありライバルであり牢人の子どもと「戦ごっこ」に熱中する由比正雪少年。ある日、城址で怪しい格好の男(薬売り)を見かける。いつしか城址には怪異の噂が流れ、城址への立入りを禁止されることに。正雪は牢人達の力を借りてモノノ怪を倒そうと企てる。しかし、モノノ怪に襲われ死者が出て、絶体絶命となった時、再び薬売りが現れ――。その出来事を契機に、少年・正雪は政治に興味を示し文武の修行の旅へ出ることに。やがて大人になった正雪は、牢人や民や自由や幸福のために立ちがることを決意するが――。由比正雪に“何か”の気配を感じとって、その成長を見守り続ける薬売り。果たして動乱の行方やいかに?
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Posted by ブクログ
由比正雪と丸橋忠弥(但し女性だ)の話なので、結末は自ずと知れる話。
幼なじみだった二人が、最終的にどう史実通りの結末を迎えるのか、それが気になって読んだ気がする。
薬売りさんが神出鬼没、気付けば何処にでも、誰のそばにもいることを、少なくとも人物紹介にいた人たちはすんなり受け入れていたことが、ちょっとおかしかった。
前からそうだが、とにかく十全語ってくれる文章ではないので、ちょくちょく脳内補完が必要。
歴史的な説明はちゃんとしてくれているが、情景描写が足りない。
特に戦闘シーンは「?」となることが多い。
全部を説明しろとは言わないが、もう少し描写を足してはくれまいか。
出てくるモノノ怪は面白かったし、最後の鳳凰の話は薬売りさんこと神儀(ハイパーさん)が苦戦する話でもあって、これも面白かったので。
描写が足りないせいで、丸橋忠弥を女性にしたこともあまり活きていなかった気がする。
幼なじみの悲恋を描きたかったのだとは思うが、心情描写も足りてないので、二人の最後の会話もあっさりだし、彼女の退場もあっさり。
柑橘の香りを嗅ぎつけて正雪が彼女の最期を悟ったのはよかったけど……これまでの3作品の中では1番読みやすいが、やはり難もあるかなとは思った。
薬売りさんの扱いは満足です。