あらすじ
イラクで戦うアメリカ人傭兵と日本で薬学を専攻する大学院生。二人の運命が交錯する時、大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは。一気読み必至の超弩級エンタメ!
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Posted by ブクログ
圧倒的なスケールの中で展開されるストーリーに、終始夢中になる。と同時に、下巻では色んな場面で人類や世界に対する多くのメッセージ性も感じる。
イラク戦争の凄惨さ、米大統領の権力濫用、同じサピエンス同士での殺し合い、科学が生み出した核兵器という殺戮器、そして見返りを求めない善行…。知性を手にしたはずの「人類」がやってきたことの多面性を感じることができた。
なぜこのタイミングで新装版が刊行されたのか。戦争を辞められない人類に突きつける現実、1人の権力者の判断で何万人もの命が奪われる可能性、意思を持ったAIが登場するかもしれない未来(人類の知能を超えた存在)。どんな価値観で、どんな生き方をしていくのがいいのかすごく考えさせられた。
サピエンス全史で『認知革命』を起こしたことによって他の人類との争いに勝ったとされていたけど、それがサピエンス同士の争いにも発展して収拾がつかない状況に追い込まれてしまっていると思う。今後AIが意志を持って自律するようになった時、この本のように人類は支配される立場に成り下がってしまうのではないか?この本とここ最近で言われていることに対するバイアスがかなりかかっていると思うが、そんな可能性をも考えて向き合っていかなければいけないと思う。
そして、人類が他民族や非友好国に対して勝手に感じる「恐れ」という認知がいまの時代の再軍拡という方向につながってしまっているのではないか。様々な意思を持った人類の集合体である国家同士の対立を収束させることは簡単ではないけど、この本を通してそこに一石を投じる重要性をものすごく痛感させられた…。
Posted by ブクログ
色々な人物の視点で物語が進んでいき、話のテンポがとても好みだった。
また、設定もかなり作り込まれてるいると思ったし、考証にも力を入れてるいると感じた。
Posted by ブクログ
本当にすごい景色を見させてもらった傑作でした。エンタメ小説としてのクオリティもさる事ながら、色々と考えさせられる重ためのテーマも扱う社会派の側面もある凄まじい小説です。
ジェノサイドというタイトルの通り、アフリカ大陸の内乱や、米国大統領の愚行だったりと、人間の醜い側面に焦点を当てた場面が頻発します。特に子ども兵の登場シーンは本当に心が痛みますね。
超知能との相対シーンも、人間の醜い側面が見える中で際立ったメッセージが包含されています。
本書を読むと、トランプ大統領のもたらす無秩序、超知能AIが人類を滅ぼすかもみたいな現実世界の話が想起されますが、本書の新装版がこのタイミングで出たのは偶然でしょうか、または狙いだったのでしょうか。
Posted by ブクログ
ものごっつい映画を観ているような気になった!!
エリート傭兵がジャングルで特殊ミッションとか、終始厨二心をくすぐる!たまらんですたい。
ミック、こんな中に日本人出してくるとか、すごい仕事するんだろうなーって思ってたら死んでしまいびっくり。けんとは善い日本人、ミックは悪い日本人として、同じ国の人間でも相反する感じにしたかったのかなぁ。
韓国人(名前忘れた…)をいいキャラで出したのも、国と国は仲悪いけど、人と人はそんなの関係ないですよーっていう作者からのメッセージなのだろうか。
この地球のてっぺん取ったとあぐらかいてる人類は、実際にアキリやエマみたいな人智を超えた存在が出現したらどうなるんだろ?って、この小説を読んで初めて考えてみたけど、大人しく支配されることはないだろうし、やっぱりこの小説みたいに戦おうとするんだろうな。
今まで気にしたことなかったけど、人間って弱いくせに傲慢な生き物だなぁ…知能は高いけど、フィジカルじゃ犬にも勝てない。私は猫にも勝てない。毎日踏んづけられてるのにやり返せない。
話逸れましたが、楽しませてくれて色々考える機会を与えてくれる本なので、オススメです。
Posted by ブクログ
急に面白くなった。逃げて追っての繰り返しで、中弛みもしない。本当に規模感の大きなエンタメ小説で映画を見てるみたいだったなぁ。各シーンも綺麗に対称性もあって良かった。
Posted by ブクログ
概ねいいのよ。主人公は薬学院生で、物語冒頭で亡くなった父の開発している秘薬の開発に携わるようになり、また世界(というよりアメリカが)コンゴで発見された新種人類ともいうべき天才に振り回されるというのも面白い。特に新種人類はピグミー族の子として生まれた後、わずか3年にして天才的な戦術的視点を持っていて、あたかも今の「生成AIによって生まれた人類を超える知能が何をするかわからない不安」を先取りした感じになっている。人智を超えた存在とどう共存できる社会を作っていくのかを考えさせる構成にもなっており、そこに葛藤するアメリカ政府職員の心情など吐露されており、非常に共感できる。一気呵成に読ませる物語であるのもいい。ただなあ。。。ちょっと政治的記述が目立つのがいまいち。例えば主人公と協力する韓国人学生がいるが、親しくなるときに、わざわざ日本がかつてした戦争犯罪や関東大震災における朝鮮人虐殺の説明をした後に、果たしてそんな歴史を持っているなか仲良くできるのだろうかと主人公葛藤するのだが、そんな下りは要らなくないか?気が合えば歴史なんて関係なく普通に友達になれるし、同じ目標に向かって協力できるだろう。そんな余計な部分が鼻についてしまうのがマイナス。
一方、物語の中でコンゴの反政府勢力に加わっている少年兵の描写があり、そこは非常に印象に残った。おかげで「戦場から生きのびて」という少年兵からの回復を著述した自伝に行き当たったので、そこは感謝。