【感想・ネタバレ】清浄島のレビュー

あらすじ

風が強く吹き付ける日本海最北の離島、礼文島。昭和29年初夏、動物学者である土橋義明は単身、この島に派遣される。島の出身者に相次いで発症した“風土病”を解明するためだった。それは寄生虫「エキノコックス」が引き起こす、人間の腹が膨れて死に至る感染症。島民を救うべく土橋は奮闘を続けるが、島外への流行拡大を防ぐため、ある重く苦しい決断を迫られ……。命と向き合う研究者の葛藤と強い信念を描く長編小説。

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Posted by ブクログ

川﨑秋子『清浄島』双葉文庫。

テーマは面白いと思うのだが、川﨑秋子の小説にしては、珍しくストーリー展開の起伏に乏しく、スッキリしない結末の小説であった。

北海道の風土病とも呼ばれたエキノコックス感染症の感染源の特定と根絶に奮闘する科学者の姿を描いた長編小説である。

エキノコックス感染症については、今から40年以上前に手塚治虫の『ブラック・ジャック』で知った。ブラック・ジャックが自らの身体に寄生したエキノコックスを自らの手で手術し、取り除くという衝撃の内容だったので覚えている。その後、北海道を旅行した時にはキタキツネを見掛けても絶対に接触しないよう気を付けていた。


昭和29年の初夏、北海道立衛生研究所から日本海最北の礼文島に土橋義明は単身で派遣される。土橋の任務は島の出身者に相次いで発症した風土病の感染源を突き止め、風土病を根絶させることだった。それは寄生虫のエキノコックスが引き起こす感染症で潜伏期間は10年とも言われ、発症すると腹が膨れ、死に至るのだった。

その多くが漁業や水産業に携わっていることから、迷信や信仰を大切にする島民たちに疎まれ、色眼鏡で見られながらも、島民たちの未来を救うべく土橋は奮闘する。しかし、土橋が何ら成果を出さないことに業を煮やした北海道立衛生研究所の上司の小山内は調査団を組んで島に乗り込んで来る。

小山内はエキノコックス感染症を島外に持ち出さないために飼い犬や飼い猫を含む、野犬やキツネ、ネズミを殺処分することを決め、調査団と土橋に実行させる。


それから12年後、礼文島のエキノコックス感染症は、ほぼ根絶され、北海道庁から『清浄島』の御墨付きをもらおうとしたのだが……

本体価格900円
★★★

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2026年04月20日

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