あらすじ
「しなければならない育児、しなければならない家事、しなければならない仕事、それと並んでしなければならない不倫、でしかなかったような気がする」――二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが・・・・・・。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
主人公の志絵は、その時々の自身の状況によって娘の理子への接し方が変わるように感じられ、なんだか心苦しく感じられました。
あと、「自分の欲望を満たすことだけを目的に生きてるの?」という発言なのですが、志絵自身は二度の結婚と離婚を経験し、そのうち2度とも自身の浮気が原因で、その後も恋愛を続けているという背景を見てると、自分のことは棚に上げているように感じてしまいました。
また、親にも恋愛をする自由はあると思いますが、その一方で志絵自身は浮気で家庭を壊しており、父親が何度も変わる環境の中で、さらに「これからこの人と暮らす」と言われる理子の気持ちは十分に考えられているのかと疑問に思いました。
恋愛と子育てを切り分けるという考え方だけでは解決できない問題もありますし、理子が母親と距離を置く選択をしたことには納得できる部分がありました。
志絵は「自分らしく幸せに生きること」を大切にしている人物として描かれていましたが、その一方で「自分は大切にされていない」「自分は大変だ」といった考え方に終始している印象が強く、あまり共感することはできませんでした。また、些細な話でも「自分を大切にしてくれない。自分のことを考えたりしてくれない。」と受け止めたり、極端な話へ飛躍したりする場面があり、少し大げさに物事を捉えているようにも感じてしまいました。
全体を通して、志絵はトレンディで自立した価値観や現代的なライフスタイルを持つ人物として描かれているものの、実際の行動には精神的な幼さが見え隠れしているように感じ、やはり最後まで主人公に共感することは難しかったです。
ただ料理の描写や自身の考えの伝え方はとても魅力的でした。