あらすじ
時は江戸――処刑人が「穢れ」の職とされた時代。町民に忌避されながらも、斬首の執行を務めとして生きる雪成。
彼は決して見せなかった。人を手にかける迷いも、苦しみも、そして孤独も。
前作『ことり文書』から一転、天野実樹の新境地! 罪人と遺族、役人、火消しや医者、長屋の大家と店子衆……江戸の町に暮らす人々の“生と死”を鮮烈に描く連作シリーズ、第一巻。
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匿名
切なくて美しい
主人公は凄腕の首斬り役人。
お役目で罪人の首を切らなければならないが、その仕事柄、町の人からは忌み嫌われている。
それでも誇りを持って孤高にお役目をまっとうする姿と、本来はもっと親しみやすく繊細な人柄が垣間見えてギャップにぐっときます
物語は一話完結で淡々と進みます。
もっとそれぞれのキャラクターの背景が見たい気もするけど、読んでしまうと処刑シーンが辛くなるな、、と思って、もしかしたら、あえて主人公と同じくらいの情報量になるよう、読み手側も調節されてるのかなと思いました。
話が進むにつれ主人公の人間らしい表情や葛藤が垣間見えて引き込まれます。
絵もとても素晴らしく、小物や背景の正確なデッサンや描き込み、江戸の町人たちひとりひとりの表情の変化などが、より主人公を含めたキャラクター達の魅力を惹き立ててます。