あらすじ
1988年北海道千歳市。クリスマスイブの夜、十三歳の浅葉悟は、父の机から「血のついたコート」を発見する。テレビは白いワゴン車が絡む女児殺害事件を報じ、警察は町を巡回していた。父の乗る車もまた白いワゴンだったのだ。平穏な日常を守るために、悟は少し離れた林に行き、「血のついたコート」を焼くのだが、その一部始終をクラスメイトの見船美和に見られてしまう。見船は悟に「私といっしょに、犯人をさがしませんか?」と意外な提案を持ちかけるのだった。
乙一氏絶賛――目隠しをされて夜のドライブに連れ出されたような緊張感と暴力。なんて心を抉ってくる小説なんだ。胸が引き裂かれた後、食い散らされるような読書体験だった。
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Posted by ブクログ
面白かった。
元の連載名は『妻を殺したくなった夜に』で、夫から妻への殺意をうかがわせるが、本作では逆。
加筆修正されているのかは知らない。
(夫の)妻(になろうとしている子)を殺したくなった夜に、か?
今までの作者(ユヤタン)なら、兄と弟で力を合わせていたりしてたのかなあと思った。壊れた家族でも兄弟姉妹で仲良くやってるのが多かったので、今作で兄弟の間にも断裂があったのが面白い。弟の透の存在が薄すぎる。だから透明で透?悟は悟りきってるので悟?
時代設定も、ケータイも監視カメラも無い不便な時代。サブスクも無く、ビデオショップ全盛期時代か。
そこで出回る裏ビデオ。反吐が出る。
伊地知君の父親も顧客だったのかもな。
主人公が射精して賢者タイムになって犯人を突き止めるのはギャグか?何考えてんだ。
真面目に考えると性愛を知った悟が、愛ゆえに人を殺すという心理を知ったから犯人にたどり着けた、ということだったのかもしれない。
見船はどのタイミングで悟の母親が犯人だと思ったのか。
母親にアリバイは無く、その母親から監視され、犯人だと当たりをつけたのか?
猟銃という凶器まで手にしたから実行に踏み切ったんだろうなと思う。
見船の復讐は妹を見捨てた自分にずっとあったから父親からの虐待に耐えていたのかもしれないなと思った。
支笏湖で犯人は人間ではなく熊だと気付き、熊だと気付いた者が他にもいると気付き、犯人を特定した感じかな。
Posted by ブクログ
悟。コート。燃やす。見船美和。上野原。弟、透。雫ちゃん行方不明事件。白いワゴン。赤い軽自動車。売春。買春。支笏湖。道子。恥。家族。家族を維持するだけ。
Posted by ブクログ
ずっと不気味な雰囲気が淡々と続いている感覚。
登場人物は皆、どこかが少しずつ狂っている。それが重なってしまうと起きる最悪な結末。
だが、読みやすさはあり、読後感が悪いわけでもなく、個人的に好きな作風だった。