【感想・ネタバレ】雷電のレビュー

あらすじ

勝率9割6分2厘、江戸相撲最強の力士・雷電為右衛門。その雷電が唯一、二度敗れた相手がいた。相手の名は花頂山。後世に伝わる花頂山との戦績は、3勝2敗、そして二人の最後の取組となった1預り(その場で勝敗を付けず、保留とすること)。その1預りには、藩の思惑と力士の誇りがぶつかり合う、隠された物語があった――。

江戸時代の相撲は藩の威信を懸けた代理の戦。松江藩の江戸留守居役・石積多平太は、藩主・松平不昧が力を入れる相撲力士の育成に関わることに。過去のある出来事から相撲を憎む多平太だったが、松江のお抱え力士・雷電爲右衞門の圧倒的な強さを前に、徐々に相撲に魅入られていく。あるとき、雷電は、庄内藩の幕下力士、花頂山に敗北を喫し、更に次の場所でも花頂山に敗れてしまう。それは、相撲藩・松江藩にとっては、起きてはならぬ一大事であった。各藩の思惑渦巻く土俵の上で、雷電と花頂山は何を思うのか。藩の威信、そして一人の力士としての意地を懸けた、両者の最後の一番の行方は――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

孤高の大関・雷電のキャラクターがとにかく良かった。
稽古や取組のシーンの迫力も素晴らしく、一気読み。
歴史小説兼スポーツ小説といった読み味だが、組織の理論に振り回される主人公の様子はサラリーマン小説のようでもある。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

大相撲界最強の力士として知られる雷電を、雲州松江松平家留守居役見習いの石積多平太の目線から描いた作品。
大相撲の世界になぜ侍が?という疑問はたちまち氷解する。最近はとんと興味を失ってしまったが、昔は6場所の興行を録画してまで見たし、国技館に足を運んだこともある。それなのにそもそもの始まりを知らなかったのは痛恨だった。
逆に知らなかったからこそ、各藩の思惑や力関係に振り回される力士たちや、中間管理職として板挟みになる多平太の姿に胸が熱くなった。
……にしても、この世界って昔からこんなことやってたのかとちょっと辟易した(-_-;)。

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2025年12月06日

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