あらすじ
いま読むべき歴史小説作家、規格外の面白さ!
天下一の奇策! 豊臣軍を、徳川軍を化かせ――
阿波の狸と称された蜂須賀家政が御家存続のため関ヶ原に挑む!
豊臣秀吉の親衛隊・黄母衣衆の蜂須賀家政は、齢二十八にして阿波国十七万五千石を任された。
なぜ父ではなく己に。父・小六は秀吉の腹心であり、木曾川の川並衆頭領でもある名将だった。武家にはない川並衆の自由な発想で国を育てる家政。ところが関ヶ原の合戦で御家存続の窮地に──
“阿波の狸”と称された若き大名が、東西両軍を化かす天下一の奇策を放つ痛快歴史小説!
【文庫判特別書下ろし「雀は百まで」収録】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
パッとしない歴史上人物が箕輪諒先生にかかれば、秀才に見える!
読んだ後、信長の野望で登場人物のステータスを見て弱くてびっくりすることが多々。最高ですね。
Posted by ブクログ
江戸時代を通じて現在の徳島県に相当する阿波国と淡路島とを知行していた大名家の蜂須賀家の始祖は、豊臣秀吉に仕えた蜂須賀小六の嫡男であった蜂須賀家政である。その蜂須賀家政が本作の主人公だ。そして蜂須賀家政は「阿波の狸」等とも呼ばれたという、なかなかの策士であったともいう。
本作は、若武者が偉大な父とは一味違う国主へと成長する物語であり、城下町を起こして流通を盛んにする他方で商品作物の藍に着目した産業振興を図るという経営関係の物語であり、大きな合戦での生き残りを図る戦略の物語でもあり、多様な要素が織り込まれている。
作中、酷く記憶に残るフレーズが在る。「尽くされて当然の主もいなければ、尽くして当然の臣下もいない」というものだ。非常に示唆に富んでいると思った…
なかなかに愉しいので、広く御薦めしたい!
Posted by ブクログ
「蜂須賀家政」という、あまり馴染みのない人物が主役だったが、他の大名とは異なる視点で行動しておりかなり興味深い人物だった。
また、話の要所で出てきた石田三成も、よく描かれがちな、ただただ鼻持ちならない人物としてではなく、一味違った姿で描かれており、そこもまた良かった。
Posted by ブクログ
豊臣、徳川の時代を生きた安房守蜂須賀家の話。
秀吉の信頼が厚い偉大な父を持ち、でも急に難治の国である阿波を任され、関ヶ原の戦いが起こり、徳川の世になっていく、その急流の中でもがきながらも元来の川並衆たる矜持を持ちつつ阿波国を守っていく。
要所要所がきちんとおもしろく、展開もスピーディーで飽きない内容だった。
有名じゃない人たちの話は初めてなのでおもしろい。
Posted by ブクログ
蜂須賀小六の嫡男、阿波徳島藩の初代となった家政の一代記。戦いにおける活躍に目を当てられやすい歴史小説の中で、主人公である家政の人柄や成長にスポットライトが当てられている作品。「主は家臣や領民を守る為に考え続けることを怠ってはいけない」、「仕えられて当然の主なんていない」、「上に立つものは常に問われ続けなければならない」など日本にまだまだ残る年功序列組織における管理職には是非一度読み、マネジメントに活かしてもらいたい。