【感想・ネタバレ】バンビ 森に生きるのレビュー

あらすじ

森に生まれたバンビは、さまざまな動物たちとふれあいながら、喜びや悲しみ、恐怖や孤独の体験を通して、やがておとなのノロジカへと成長していきます。ときに動物たちの死を間近に見、生きることの厳しさを知るバンビ。そして生きぬくための智恵と勇気を自らの行動をもって教え諭し、バンビを導くノロジカの古老。“生きる”ということを真摯に読者に語りかけ、1923年の刊行以来、今なお古びることのない動物文学の名作です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

動物の生態を、五感を、こんなにリアルに描けるなんてすごい。
自分も生き物としての五感をフル活用して、鹿になったような気分で読んだ。

生きることは、常に危険と隣り合わせ。
いつ、誰に食べられるかもわからない。
そんなヒリヒリするスリルと、誰にも邪魔されずに広い草原で思い切り駆け回れる喜びが、同時に感じることができる。それが生きることだ。

この物語の中で、人間は「アイツ」と呼ばれ、森の動物たちから恐れられている。
ゴーボという幼馴染が人間に撃たれたその後のエピソードが印象的だった。
偶然優しい人間に手当てをされて帰還してからは、全能感丸出しお気楽鹿になってしまう。
だけどその油断が仇となり、結局また人間の手にかかり、殺されてしまう。
人間が良かれと思ってした行為が、野生で生きる力を奪ってしまう実例を見せつけられた。

悟りを開いているかのような偉大な古老とバンビの交流も微笑ましい。
こんな圧倒的なロールモデルがいたら、追いかけて慕いたくもなる。
古老を崇拝するバンビの気持ちも、バンビを子どものように愛し、優しく諭す古老の気持ちも、どちらもじんとくる。
親子ではないけれど、親子のような師弟関係。
「生き抜く力」を目の前で、身をもって教えてくれる古老のように、私も愛を持って子どもたちと接したい。

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2025年09月16日

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