あらすじ
島本和彦×ヴァンパイア×アイドル!?
芸能界を蝕む吸血鬼(ヴァンパイア)の闇。
その暗がりを裂くは「本物」の光ーー
東京・池袋の地下に広がるアニメイトシアター。
ここでは主人公・血潮滾の所属するアイドルグループ『バンフレイム』初のワンマンライブが行われていた。
普段通りに軽快なトークを飛ばす滾だったが、ライブ中盤にある異変が――!?
ガマンが快感なアイドル・血潮滾を中心に織りなされる物語は予測不能でめくる手が止まらない!?
熱血漫画家・島本和彦の圧倒的な愛と熱で贈る最新作、待望の第1巻!!
感情タグBEST3
匿名
すっごく面白くて新しい!
芸能界の裏側、アイドルの裏側を暴露するような比喩めいた設定や世界観のような気もしますが
そんなの関係ねえ!
今の少年少女たちに
「胸をはって生きるってことはこういうことだ!」
ってことをこんなに実直にぶつけてくる漫画家&漫画作品なんてみたことない
すっごく面白くて、新しい!!
割といつも通りっぽいです
島本和彦さんの作品、名前は知っていても実はあまりちゃんと読んでいません。
今作の主人公はどうも偽の指示で観客に噛まれて吸血鬼化しているようです。
我慢するのが好き、という妙な性格です。マゾヒストではあるんでしょうか?
Posted by ブクログ
何気に島本和彦作品を読むのは初めてだったりする。それが藤田和日郎と共演というか競作のような形で連載始まった「ヴァンパイドル滾」というのは、奇縁なのかしら。
読んだことはないけど、周囲からこんな作風ということは伝わってくるので、いつの間にか知ったような気になっていた作家さんです。
1話のオーディションに落ちた際の滾を見た翼が思わず感じたもの。
「悔しい!悔しいけど確かに自分の負けだ!」
「だが勝ったと思うなよ!次を観てろフハハハ」
そのままこれが、島本和彦自身がこれまでの人生で壁にぶち当たった挫折の感情と、そこから立ち上がり奮起するための心意気なんだろうな。
作者の経験したものがどんな表現方法であれ、創作されたものには投影されているものだと思うのですが、誤魔化さず茶化さず赤裸々に色濃く曝け出しているのが、島本和彦の作風なのだと思います。
自分自身が発する熱量を爆発させずに抑え込む。爆発寸前まで暴走寸前までいったエネルギーを、限界ギリギリで抑え込む。回帰不能点に行き着くまでのチキンレースを見せつけてくる漫画なのかな、と思います。その危うさと同居する興奮。それが『怖い+カワイイ=怖イイ』という言葉につながるのでしょうね。
いつの日か回帰不能点を超えて自分自身が発する熱量に押しつぶされる時が来るのだろうか。それは巨大な重い恒星の最後のようなもので、超新星爆発後にブラックホールができる現象が滾にも起きてしまうのではないかしら。ファンだけでなく、民衆全てを魅了して虜にして、全てを飲み込んでゆくのだけど、それに自身が耐えきれなくなってゆく、というような。
1話冒頭の「つくりものじゃない光属性」という翼のセリフが、滾の輝きは月や星でなく太陽であると言っているように感じました。
夜にしか生きられないヴァンパイアになってしまったのも、お天道様のもとに戻れないという我慢を強いるもので、太陽の存在であった滾への枷なんだろうな、
藤田和日郎との共演競作で始まった「ヴァンパイドル滾」。
こちらもどこまで滾の熱量についていけるのか、作品の滾りに負けずにいられるのか、の勝負が始まったわけですね。
サンデー編集部にまんまと乗せられている。
いいぜ、乗ってやろうじゃん。