あらすじ
<リング>シリーズは、「貞子」の名とともに、世界中に日本ホラーの底深さを知らしめた。「心地よい恐怖に浸るうちに怪異な闇に呑み込まれてゆく極上のミステリーに酔い痴れました」と稲川淳二氏が絶賛する本書は、25年に及ぶ自身の航海経験を中心に、海の仲間や知人友人から聞いたもの。遠洋漁業に出たマグロ漁船。荒くれ者たちが集まる船内で、ある船員が胸を刺されて死亡。船長は、無人島で遺体を火葬して隠蔽するが!?(「漂流する足首」)船の運航会社を経営する男性は、中古の豪華クルーザーの代行保守を任される。だが、船内で次々と怪異が起こり!?(「船の事故物件」)など、本当にあった海の怖い話。
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Posted by ブクログ
「リング」「仄暗い水の底から」を書いた作家の、海にまつわる怖いエッセイばかり集めた本。ご本人が経験豊富な船乗りでもあるらしく、怖おもしろい雑談を間近で聞いているような、ぜいたくな気分になれてよかった。話だけでなく、文章のあいまに時々挟まれているる写真がなぜかとても恐ろしかった。
Posted by ブクログ
短編集でありエッセイだと感じました。まったく怖くないですが最恐見聞録なので、怖いわけはない。
なので正しくは、恐ろしくはないです最も恐ろしくもないです。基本的に海の話よりも船の話が多く興味がないと読み続けるは困難でしょう。各話が短いので気持ちとしては読み易いのかなとは思います。
しかし見知らぬ土地や見知らぬ部品見知らぬ船の名称、各部パーツの名前が出てくるのとそこの説明はあまり含まれていないので私のように土地や船について無知な人間は短編集ともいえども読破が困難でしょう。ただし、写真も多いので実際のページ数よりは文章量が少ないのと文字数もだいぶ節約されてる感じしますので、上記の点を踏まえた上で根気を持って挑めば2時間程度で読み終える事が出来るでしょう。海や船の小ネタが出てくるのとドライブや墓地なども登場するので怖いの苦手だけどホラーに興味はある方にとってはホラー小説入門書として推奨出来ます。写真もまったく怖くないですし幽霊的なものは映っていませんので安心して読めます。メルヴィルという人が書いた白鯨という作品がありますが本編そっちのけで鯨の豆知識をつらつら語る章が多く、私としては海の怪は白鯨要素が強く感じられました。書いてて気づいたのですがオマージュ作品と思って読むと新たな面白さが垣間見えるかもしれません。
と言っても 今回の作品、海の怪においてはその豆知識が本編です。
これに耐えることが出来て初めて白鯨を読む土台が整ったと言っても過言ではありません。
情報量が多く求めていた要素が極端に少ない短編集を読むという意味合いでは、最恐見聞録です。
話は変わりますが、私は以前、この著者のユビキタスという作品を読みましたが、退屈な部分と興味をそそる部分が交互に来る感覚と心霊系と怖さよりも人に付随する怖さを感じたので今作もそのような構成かと思い買ってみましたが、その期待は捨てた方が良さそうです。一番面白かった短編はあとがきの学者の方と著者の対談です。