あらすじ
「若者がこわい」は、職場に潜むあらたな病だった。
気鋭の経営学者が読み解く“年の功”消滅社会の正体
「コンプラ大丈夫?」「それ、ハラスメントですよ」
こんな言葉が飛び交う現代の職場では、若者に対する漠然とした恐怖が広がっている。
少子化による超・売り手市場により、年功序列のパワーバランスは逆転した。
新人を腫れ物扱いしたり、若手に過剰に忖度している場面に、心当たりはないだろうか。
そんな時代、上司や先輩社員は若手への適切な指導や対話ができずに悩み、
ときに「どうせすぐ辞める」「関わるだけ損」などと、距離をとってしまう。
こうした空気が、職場に深刻なコミュニケーション不全をもたらしている。
本書では、経営学者・舟津昌平氏が、「飲み会離れ」「早期離職」「やりがい・成長」
「ハラスメント」などのキーワードを手がかりに、職場で静かに進行する“若者恐怖症”の実態を明らかにする。
データと現場の声をもとに、通説の矛盾を暴き、世代間の不信やすれ違いの背景にある社会構造を読み解いていく。
部下のマネジメントに悩む管理職はもちろん、20代・30代にも、Z世代にも読んでほしい、
すべての働くひとに向けた、職場改善の処方箋。
【目次】
はじめに 老害になりたくないあなたへ
第1章 若者恐怖症─たとえば、飲み会恐怖症
第2章 若者論の交通整理─Z世代をたらしめるもの
第3章 そして何が問題なのか─神話の喪失、竹槍と学徒動員
第4章 離職恐怖症─若者はすぐ会社を辞めるのか
第5章 やりがい恐怖症─若者は成長しないといけないのか
第6章 ハラスメント恐怖症─若者はなんでもハラスメントって言うのか
第7章 持病とつきあっていく─いっしょに恐怖を飼い慣らす
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「Z世代化する社会」の実質的続編とのこと。世間で言われている「若者論」は本当に正しいのか。世代間には確かに何らかの価値観差(筆者によればそれは世情を反映したもの)はあるのだろうけど、ある時点を境に急に変わるものではなく、変化にはグラデーションがあるはず。(自分とは)別の価値観が交じったものを異質と見做すのではなく、個人として向き合おうよ、ということ。そもそも世代とか関係なく他人とは思考が違って当然ですよね、ってことに改めて気付かされた。
Posted by ブクログ
特に若者論に関しては、ミクロが強調されすぎて、あたかもマクロの状況のように語られることが多い。人間関係はいやはや難しすぎる。問題の捉え方として非常に勉強になりました。(過去に「新人類」と表された一人として)
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれ、購入を決めた。
私は本書でいうZ世代なのですが、色々な視点があり、大変勉強になった。中でも印象的だったのは相対主義で発言だったり、考える人が増えているという点。確かに自分は相対主義で考え、発言しないこともあったと読みながら振り返ることができ、絶対的に自分の意見、考えを持っていくことが重要だと改めて知ることができた。その他にも、本書で書かれている不真面目の意味について、疑い深い自分は不真面目なんだろうなと感じた。
自分としては上の方に迷惑をかけず、向上心を持ち色々取り組みたいと思った。
Posted by ブクログ
立場の差は、どんな関係性でもあるから、それをお互いが理解した上でコミュニケーションを取らなければいけない。これは、対若者に限ったことではないなと思った。これは、職場の人間関係をよくする本質なのでは、、、?
Posted by ブクログ
印象的な題名であるが、若者に対して色々な言説は過去からもあり、現代はz世代とも言われ、マスコミや各種調査でも、これまでと違うように言われている。が、調査内容を精査すると、違うこともある。若者恐怖というより、社会が変化したことに、そしてコミュニケーションが変わったことにより、それぞれが適応できなくなり、不安が恐怖に至っているのではないだろうか?処方箋のひとつはand you?である。
Posted by ブクログ
令和の世は、若者こそが権力の源泉になりつつあり、年長者は若者にビビりつつある。
恐怖を克服すべく、経営学の視点から「職場の若者」を紐解いていく。
二〇代社員が入社すぐにデジタル技術を使いこなしオジサン社員をごぼう抜きにしたとして、Z世代すごいぜ! 老害終わってるぜ! と言いたくもなるが、冷静に見て、それは中高年のリスキリングに「会社が」失敗しているのである。
なるほど!
Posted by ブクログ
自分も世の中の若者に翻弄されてたなぁと痛感。そして、職場での若者との向き合い方という点で、少し気持ちが軽くなった。知らぬ間に、バイアスかけてる自分に気付かされた。
とても参考になった。