あらすじ
この国の騎士爵家の三男とは、家の為に献身を求められ、やがて民の為に死ぬ運命にある存在だ。
私には前世の記憶と、幸いなことに持って生まれた『ギフト』があった。
その恩恵のおかげで私は王都の魔法学院に入学することができた。
華やかな貴族社会で羽目を外す婚約者を尻目に、私はただひたすら学院の環境を活かして、家族のために己の研鑽を積む。なぜなら、彼らは前世で経験したことのない愛情を私に与えてくれたからだ。
民草を護り、王国の安寧に寄与すると壮大で殊勝で矜持に満ちた父や兄達とは違い、私にはそのような大それた信念は無い。ただ、私を愛してくれた者達が安寧に暮らしていける手段を求め続けているだけだ。
だから、買い被りはよしてくれ。
私は、辺境の子であり、騎士爵家の三男であり……自分の名前すらわからない「名もなき」存在なのだから。
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匿名
Xで紹介されていて、なにげなく試し読みして、あっという間に世界観に引き込まれました。
転生ものであり、王子に婚約破棄された公女のザマアもあり、この先大成するだろう騎士爵家の三男の物語ではあるものの、重厚で読み応えがありました。
期待を込めて星4
文章はそこら辺のなろうとは一線を画していると思う。
貴族としての迂遠な言い回しが多いが、他の作品がおかしいと思うレベルでこちらの言い回しの方が作品の世界観に合っていると思わされた。
読んだ後だと他作品の貴族の言い回しが殆ど庶民である違和感を覚えてしまうかもしれない。
とは言っても1巻にしては特に何もなかったというべきか。これから始まる展開への布石・ステップになる序章と言ったところ。長編にならなければ駄作で終わるような展開。
なろうでよく見る例の展開と、そうでは無い展開があって面白いが、この2人がまた交差することはあるのか。
この作品の終着点が見えないが、これから頑張っていって欲しい。
少し長め?ではあるが定期的な発行を望む。