あらすじ
いよいよ最強を決めるトーナメント「闘天 TOUTEN」が始まるが、そこに丹波文七の名前はなかった。文七は主催者の道田薫に出場を打診されたが、答えを保留していた。文七はトーナメントに出る翁九心と闘いたかった。かつて梅川丈二と文七の試合直前に梅川を野試合で壊したのが翁九心だ。だが、大会に出ることは道田の飼い犬になることで、気が乗らない。そんな文七の心を道田は見抜いていた。そして、道田は翁九心と過去に何があったのかを文七に語り出す――。世界最長の格闘小説、いよいよ最終章に突入!
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Posted by ブクログ
夢枕獏『新・餓狼伝 巻ノ六 変幻鬼骨編』双葉社。
40年も続いているという驚異の世界最長の格闘技小説シリーズ。5年ぶりの刊行となる第6巻。
どうやら、この格闘トーナメント『闘天 TOUTEN』が最終トーナメントとなるようだ。
時代の流れと共にプロセス、空手、古武術、ボクシング、キックボクシング、マーシャルアーツ、サンボ、コマンドサンボ、ブラジリアン柔術、異種格闘技戦からMMAと、格闘技の対戦形式が変遷する中、誰が一番強いのかという疑問への答えが出るのはもう間もなくである。次巻は『新・餓狼伝 巻ノ七 邪拳聖拳編』で、夢枕獏のあとがきによれば、2年少しで刊行されるとのこと。
夢枕獏が癌の治療で連載が中断していたのだが、無事に寛解し、連載が再開されたようだ。何とも嬉しい限りだ。
『新・餓狼伝』シリーズは、次々と登場する化け物のような強さの男たちが闘い続ける描写には毎度ながら驚かされる。
勿論のことなのだが、この40年の間に登場人物は殆ど歳を取っていない。自分は20代前半の頃から読み始め、還暦を過ぎているのに、登場人物が老けていないのは少しズルい気がする。そして、松尾象山のモデルである大山倍達や巽真のモデルであるアントニオ猪木も連載中に鬼籍に入っているのだから、架空の世界の格闘技小説ということになり、格闘SF小説と読んでも良いのかも知れない。
序章ではキュウシン・オキナこと翁九心という謎の武術家の得体の知れない強さが描かれる。身体の頑丈さだけが自慢の元プロレスラーの平田万太は、アメリカのテキサスで、キュウシン・オキナという男と闘い、こてんぱんに叩きのめされる。
一章。網走の特等集治監を出所した竹宮流の藤巻十三は、奈良で北辰館の河間一と対峙する。藤巻の口から語られる網走の集治監での出来事とは。
二章。姫川勉との対決で脱糞した丹波文七が道田薫から新たな格闘トーナメント『闘天 TOUTEN』への出場を打診されるが、トーナメント形式の闘いに疑問を感じ、出場を保留する。
トーナメントへの出場者は立脇如水、姫川勉、梶原年雄、猿飛跳魚、京野京介、関根音、翁九心、堤城平、平田万太、ホセ・ラモス・がルーシア、マカコと化け物ばかりだった。そんな時、丹波文七は久我重明と会う。
三章。松尾象山が巽真の元を訪ねると、突っ掛かってきた若手レスラーを手玉に取り、その強さを見せ付ける。巽と共に『闘天 TOUTEN』の特別試合にエントリーされていた松尾象山も丹波文七と同じ疑問を感じていたのだ。
四章。道田薫の異常な性癖と翁九心との出会いが描かれる。
転章。カイザー武藤が巽真に自らの引退試合を申し出る。
本体価格900円
★★★★★
Posted by ブクログ
5年ぶりの新刊!
餓狼伝も40年も経ってる〜
いよいよ最強を決めるトーナメント「闘天 TOUTEN」が始まる!
って言っても、まだ、メンバー確定してないやん。
文七は、出ないって言ってるし、松尾象山、巽もあんまり納得してなさそう。
今回は、そのトーナメントに出る人物を紹介しながらの話。
でも、格闘はある。
象山の圧倒的な強さに痺れるわ〜
技というか、バン!って突き一発で破壊とかレベルが…
幻惑的な強さの面子もおり、楽しみ!
って、いつまで待たせるの!とは思うけど、ワクワクしてしまうねんな。
これだけ、猛者が揃うとトーナメントとか試合とかのルールが邪魔みたい。
生まれた時に持っていたもの以外は、何も身につけない。真っぱだかになった時、おのれがその時身につけているものだけで勝負をする。
こだわるとすれば、そこだ。
素手。
1対1。
その二点に尽きる。
あとは、みんな余計なものではないか。
このまま、トーナメントに突入するのか?
何か皆んな、やりたい時に、何のしがらみもなく闘う!が全てになって来てる!
相変わらずの格闘シーン、ええわ!
でも、登場人物忘れるのも多々あり。
あとがきで、
次作は早く出せると宣言してはるけど、2年後やし(−_−;)
夢枕獏さんも、74歳。
頑張って!!!
描き続けたい宣言してるけど、終わるとは描いてないのが…寂しいとこあるけど、まぁ、ずっと続いてもええかも?
久々で楽しめた!