あらすじ
2025年は広島・長崎が核攻撃を受けて80年となる。この人類的な悲劇を背景に「核のタブー」が生み出されてきた。しかし、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザのホロコースト、「台湾有事」の切迫、北朝鮮の核開発とイランの核問題、印パ紛争、そして「核のボタン」を弄ぶトランプの再登場など、核使用の危険性がますます高まっている。そもそも、核保有を正当化してきた核抑止論は“脅しの信憑性”を核心に据えてきたが、その根底には「狂気」が孕まれている。その本質を歴史的、論理的に解き明かし、核廃絶に向かう道筋と日本の採るべき選択肢を提起する。
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Posted by ブクログ
たとえ読めたとしても内容を理解できると思わないですが、参院選で中高年男性から支持を集め当選した核武装を叫ぶ参政党の女性議員に読ませたい本でした。
狂気が生み出した核抑止論 。精神病理的な論理に基づく脅威。過去の専門家の理論や国際関係の詳細な分析により、核抑止は狂人のお花畑の頭にしかないと。
冷戦を終結させ核なき世界へ進み始めた米ソを再び戦場に引き戻たおぼっちゃま大統領。その後に続く今の世界の指導者たちは狂気を剥き出しにして恥ずることもありません。
被爆国日本は、幼稚な安倍晋三が核なき世界を目指したオバマ大統領の方針になんと抗議をしました。その後でトランプの子分となり将来に渡りアメリカの軍産複合体への献金を約束し巨額の負債を残しています。核兵器のない世界を訴えると期待された広島サミットでは核兵器保有を認め赤っ恥を晒すことに。北朝鮮の危機を煽りながら日本海沿岸には原発を拡充するという支離滅裂な政策。そして昭和天皇はやっぱり自己の保身に走る最悪の戦犯でした。
いつになったら核のない、戦争のない世界が訪れるのでしょうか。でも諦めるわけにはいかないですね。
Posted by ブクログ
核抑止論が不完全であることはよく分かったし、核廃絶に向けて動いた歴史(ゴルビーのとこ)を思い出させてくれたてんも、「核ありき」の思考を相対化できるのでよかった。
しかし、抑止論が不完全だからと言って、現状の核抑止を外しちゃっていいかどうかの議論はなかったというか、外す方がよいということを自明として書き進めてた気がします(そりゃ、外せたらそれに越したことはないと私も思います)。
抑止論が虚構であることと、抑止論が不要であることはイコールではないと思う。
嘘も方弁で何かしらの役に立っていそうというモヤモヤがあるからこそ、「いえ、何の役にもたっていません、だから不要です」というあたりまで議論して欲しかった。