あらすじ
【注意】本作は全く優雅ではありません。
まず思いつかない、ぶっ飛んだ設定の奇想文学の集合体です。
「摩訶不思議なる読書旅。その果てに待つのはさらなる絶望、それとも大解放?」
――万城目学(作家/『八月の御所グラウンド』)
※本作を読まれる皆様へ
本作はデビュー作『百年泥』で芥川賞を受賞した著者による短編集です。
作中に、やたら大人びた兄妹や、インドから脱出できない日本人や、
電車の網ダナの上で生活する女性や、末恐ろしいサンタクロースが登場します。
この奇妙さに、一度吸い込まれてみましょう。
・・・・・・ちゃんと、戻ってきて下さいね。
なぜか笑えて、どこか怖い。
奇妙奇天烈な小説を4篇収録した、約5年ぶりとなる待望の新作。
【著者略歴】
石井遊佳(いしい・ゆうか)
1963年大阪府枚方市生まれ、埼玉県在住。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。2017年「百年泥」で第49回新潮新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作で第158回芥川龍之介賞を受賞。これまでの著書に『百年泥』『象牛』がある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
奇想天外な短編集
どの話も現実離れしているが、小気味よくさらっと読めた
特に最後の変なサンタクロースに捕まった男の不幸な話は凄く面白かった
ここまで不幸が重なると笑うしかないというくらい、主人公に同情させられた
この作家は知らなかったので別の作品も読みたいと思った
Posted by ブクログ
表題作が一番面白かった。
コミカルな筆致でありつつ細部の描き方がリアルで上手く、主人公に感情移入させられた。少年が語った日常が本当だったのか、まんまとやられたということなのかもあやふやなまま、兄妹とのティータイムを経てなぜか明里の気持ちの持ちようが変わっているところが面白い。読者をゾッとさせるが読後感は悪くなく、他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
人を安易に信じてはいけない。
人の闇には、本人にも相手にも疑心暗鬼を生み出し、そもそも本当は寂しいのだけど、病みとしてしか表現できない、のではないかな。
短編を読み進めていくと、表紙のイメージがしっくりくる。途中で少し飽きてしまったので星3つ。